戦争・紛争

“スーツに身を固めた連中は、理解しようとも認めようともしないが...............。  俗に言う“メキシコの麻薬問題”は、メキシコの問題ではなくアメリカの問題なのだ。  買い手なくして売り手なし。” 『ザ・カルテル (上)』 (角川文庫) ドン・ウィンズロウ 峯村利哉訳 角川書店

ザ・カルテル (上) (角川文庫)作者: ドン・ウィンズロウ,峯村利哉出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2016/04/23メディア: 文庫この商品を含むブログ (19件) を見る『犬の力』を読み終えたところで、最新刊の続編を一気に読む。(読んだのは半年くら…

“早期平和実現プログラム、またの名をフェニックス作戦。へたな冗談だ。多くの人間が早ばやと平和な永い眠りへと導かれた” 『犬の力 上』  (角川文庫)  ドン・ウィンズロウ 東江一紀訳 角川書店

犬の力 上 (角川文庫)作者: ドン・ウィンズロウ,東江一紀出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/08/25メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 175回この商品を含むブログ (177件) を見る同じ著者の『ザ・カルテル』の書評で、前作…

“国家が選択を行うとき、指導者が行う選択がこの分かりやすい良識を反映するものであるとき、広島の教訓か生かされることになります。” オバマへの手紙 ヒロシマ訪問秘録 (文春新書) 三山秀昭 文藝春秋

オバマへの手紙 ヒロシマ訪問秘録 (文春新書)作者: 三山秀昭出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/09/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るオバマ大統領がまだ民主党候補の一人に過ぎなかった頃、オバマがいかに優れた候補であったかとい…

“人も自然の一部である。それは人問内部にもあって生命の営みを律する厳然たる摂理であり、恵みである。科学や経済、医学や農業、あらゆる人の営みが、自然と人、人と人の和解を探る以外、我々が生き延びる道はないであろう” 『天、共に在り』 中村哲 NHK出版

天、共に在り作者: 中村哲出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/10/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るアフガニスタンの農業復興、医療支援に、文字どおり生涯をかけている中村哲(てつ)氏の、自身による記録である。NHKの「知るを楽し…

“他人の非を咎めるとき、おのれの正しさを言い立てるときに、弁舌さわやかな人間を私は信じない” 『人の罪を咎めるときの解とは、控えめにためらいがちに語れ』  内田樹 AERA (アエラ) 2013年 6/10号 朝日新聞出版

AERA (アエラ) 2013年 6/10号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/06/03メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る内田樹によるAERA巻頭言 従軍慰安婦をめぐる政治家の発言を受けて 「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女を投…

“そのような「共通の思いや解釈の断片」を収集するうえで著者が重要な出発点としているのは、音楽を安直に「精神的抵抗」のシンボルへと神話化しない、という態度である” 『「精神的抵抗」という神話から音楽を救い出す』 細身和之 パブリッシャーズ・レビュー 2012年9月15日 第8号

ホロコーストの音楽―― ゲットーと収容所の生作者: シルリ・ギルバート,二階宗人出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/09/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見るパブリッシャーズ・レビュー(Publisher's Review)というの…

“よくできたかどうか分からないけれど、かあさん、ぼくはひとリの人間になった。行って、そして生きてきた。あなたに祝福がありますように” 『約束の旅路 (集英社文庫) 』 ラデュ・ミヘイレアニュ, アラン・デュグラン, 小梁吉章訳 集英社

約束の旅路 (集英社文庫)作者: ラデュミヘイレアニュ,アランデュグラン,Radu Mihaileanu,Alain Dugrand,小梁吉章出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/02メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る古く東欧に流れたアシュケナージ,149…

“自己反省を持つ人にあっては「知ることは超えることである」ということを信じたい。そして、ふたたびかかる悲劇への道を、我々の日常の政治的決意の表現によって、閉ざさねばならないと思う” 『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』 V.E.フランクル, 霜山徳爾訳 みすず書房

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録作者: V.E.フランクル,霜山徳爾出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1985/01/22メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 101回この商品を含むブログ (121件) を見るこの旧訳(霜山訳)は高校時代に読んだのだが,先日新訳(…

“その時、若泉の耳朶にふれたのは、かつて激戦が展開された摩文仁(まぶに)の丘の戦跡を初めて訪ねた際、見知らぬ地元の男性から教えられた「むせびなく霊の声がこの丘にかすかにひゞく遠き海鳴り」という一首であった” 『「沖縄核密約」を背負って:若泉敬の生涯』 後藤乾一 岩波書店

「沖縄核密約」を背負って 若泉敬の生涯作者: 後藤乾一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/01/23メディア: 単行本 クリック: 38回この商品を含むブログ (18件) を見る本日8月15日は終戦記念日.それに先立つ,今年の5月15日は,沖縄返還40周年で…

“近藤さんの本は海外情報や面白おかしい話の羅列ではない。人間と国という大きなテーマを考えながら書いたものだから、彼が亡くなってからずっと支持されている” 『美しい昔 − 近藤紘一が愛したアジア」』 最終回「ゆんの父親」 野地秩嘉  SKYWARD 2012年 8月号 日本航空インタナショナル

JAL SKYWARD スカイワード 2011年 9月号 相葉雅紀作者: 日本航空インタナショナル発売日: 2011メディア: 雑誌この商品を含むブログを見るJALの機内広報誌(市販品).上記の写真は古いが,2012年8月号で発見. SKYWARDの連載「美しい昔 − 近藤紘一が愛したア…

“あの「戦勝祭」の朝、雨上がりの広場で「独立と自由」のスローガンを見ながら、私はやはりハノイには総てが許されたのではないか、と思った” 『サイゴンから来た妻と娘  (文春文庫 こ 8-1)』 近藤紘一 文藝春秋

サイゴンから来た妻と娘 (文春文庫 こ 8-1)作者: 近藤紘一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1981/07/25メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (31件) を見る懐かしの一冊である.単行本は1978年,文庫本は1981年,手持ちのものは1986…

“痛烈で、敵意に満ち、挑戦的なスタイルがもてはやされている今日、あるいは常識的なことをあざ笑い、ひたすら突飛さばかりを追い求める現代文化のなかで、ここブランソンのショージ・タブチは、きわめて基本的なことを発見し、そこから成功をおさめたのだ” DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語』 ボブグリーン, Bob Greene, 山本光伸訳 光文社 (その2)

DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語作者: ボブグリーン,Bob Greene,山本光伸出版社/メーカー: 光文社発売日: 2001/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見るボブグリーンの本書に関する引用,第二弾.実は,…

“第二次世界大戦世代の人聞は自分たちのことを自慢して歩かない” “第二次世界大戦の帰還兵は、スポーツの試合で起きていることと戦場での出来事を、決して混同 しない” 『DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語』 ボブグリーン, Bob Greene, 山本光伸訳 光文社 (その1)

DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語作者: ボブグリーン,Bob Greene,山本光伸出版社/メーカー: 光文社発売日: 2001/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る ボブ・グリーンは稀代の名コラムニストである.近…

“緊張と矛盾と分裂の社会の中で大人になるであろう君たちは、開かれた思考力、批判的な知性によって、また偏見をもたず寛大さによって、立ち向うことが出来なければならない” 『若き死者たちの叫び―ヨーロッパレジスタンスの手紙  (現代教養文庫)』 片桐圭子 社会思想社

若き死者たちの叫び―ヨーロッパレジスタンスの手紙 (1979年) (現代教養文庫)作者: 片桐圭子出版社/メーカー: 社会思想社発売日: 1979/04メディア: 文庫この商品を含むブログを見るわが家の文庫本棚をながめていたら,本書を発見.以前に言及した,『イタリア…

“とるに足らぬ人生などというものは存在しない。ただ照明が当てられるかどうかが問題なのだ。あの日、照明器具は、一九四一年同様、不良品だった。” 『密告』 ピエールア・スリーヌ 白井成雄訳 作品社

密告作者: ピエールアスリーヌ,白井成雄出版社/メーカー: 作品社発売日: 2000/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るこれは小説.そういう意味では,フィクションだが,自身の驚くべき体験を,そのままでは語れないが故に,小…

“政府での仕事は大儲けできるものではないが、私はCIAで働いた日々の1日たりとも、『フォーチュン』誌の〈働きたい会社ベスト500〉の“最高経営責任者(CEO)”と交換したいと思わない” 『フェア・ゲーム』 ヴァレリー・プレイム・ウィルソン, 高山祥子訳  ブックマン社

フェア・ゲーム作者: ヴァレリー・プレイム・ウィルソン,高山 祥子出版社/メーカー: ブックマン社発売日: 2011/10/29メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 391回この商品を含むブログ (6件) を見る普通に,つまり何気なく,新聞を読んだり,…

“文学の責務は良心と道義的な覚醒に向けて、不正に対する憤りと被害者に寄せる共感に裏打ちされた敏感さの拡張に向けて、目覚ましのベルを鳴らす工夫をすることです” 『この時代に想うテロへの眼差し』 スーザンソンタグ, Susan Sontag, 木幡和枝訳 NTT出版

この時代に想うテロへの眼差し作者: スーザンソンタグ,Susan Sontag,木幡和枝出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2002/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 26回この商品を含むブログ (21件) を見る9.11のあと,大統領以下国民全体が熱に浮かされている中,…

“今こそ、私たちの来し方を振り返り、戦後の再スタートの土台に据えた精神を思いおこすべきだろう” 『チンチン電車と女学生』 堀川惠子, 小笠原信之  日本評論社

チンチン電車と女学生作者: 堀川惠子,小笠原信之出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2005/07メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (14件) を見る第二次世界大戦前,広島に,「広島電鉄家政女学校」があった.忘れられかけていた幻の女学校を…

“会ってみると みな優しかった 話してみると みな常識を持つ者たちだった 優しく 常識的な人間でさえ 狂気に触れる瞬間がある” 『この大地に命与えられし者たちへ』 桃井和馬 清流出版

この大地に命与えられし者たちへ作者: 桃井和馬出版社/メーカー: 清流出版発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る写真家桃井和馬氏による『この大地に命与えられし者たちへ』と題する写真集.題材は,自…

“銃口の向きを変えるためには、おのれの肉体の消滅を賭けて、思想の変革を果たさなければならない” 『イタリア抵抗運動の遺書―1943・9・8‐1945・4・25  冨山房百科文庫 (36) 』 P・マルヴェッツィ, G・ピレッリ編 河島英昭 他訳 冨山房

イタリア抵抗運動の遺書―1943・9・8‐1945・4・25 冨山房百科文庫 (36)作者: P・マルヴェッツィ,G・ピレッリ,河島英昭出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1983/04/27メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る ファシズム政権に対抗するレ…

“夫婦とは、他人との生き方の共有。支え合う男女。それが「燻し銀」のような関係をつくり、深い喜びに結びつくのだ” 『妻と最期の十日間  (集英社新書)』 桃井和馬 集英社

妻と最期の十日間 (集英社新書)作者: 桃井和馬出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/12/17メディア: 新書購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (13件) を見る 突然くも膜下出血に倒れた妻が亡くなるまでの10日間の物語.だがしかし,介護記でもな…

“私たちは当たり前のように享受しているこの「戦後」を、二度と「戦前」に引き戻してはならない” 『日本の戦争 BC級戦犯 60年目の遺書』 田原総一朗監修 田中日淳編 堀川惠子聞き手 アスコム

日本の戦争 BC級戦犯 60年目の遺書作者: 田中日淳,田原総一朗出版社/メーカー: アスコム発売日: 2007/08/17メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (8件) を見る東京裁判とA級戦犯という言葉は知っていても,BC級戦犯について皆が…