文化人類学・民俗学・民族学

“利用者の人生を知ることで、介護する側が変わる。たとえ徘徊などの“問題行動”があっても、それまでの人生でどんな苦労をしてきた人なのかを知れば、上から見下す目線にはなりえない” 『介護の庭に眠っていた民俗学  現代の肖像:民俗研究者 六車由美』 横田増生

AERA (アエラ) 2013年 6/10号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/06/03メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る六車由美氏の『驚きの介護民俗学』は,この半年の間,様々な書評で取り上げられ,ずっと気になっていた書物である.こ…

“戦争が煽り立てる「明快さ」が、ある種大きな解放感をもたらすものであること、どのような社会にも、戦争に加担することによって暖昧さや迷いを解消してしまえるという誘惑があること” 『娘の眼から―マーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンの私的メモワール』 メアリー・キャサリンベイトソン, 佐藤良明, 保坂嘉恵美訳 国文社

娘の眼から―マーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンの私的メモワール作者: メアリー・キャサリンベイトソン,Mary Catherine Bateson,佐藤良明,保坂嘉恵美出版社/メーカー: 国文社発売日: 1993/02メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ…

“人情(のはずの)大阪と、冷たくすました(はずの)東京が逆転し、今や、東京のほうがいわゆる「大阪的」、大阪のほうがいわゆる「東京的」になっているのではないか” 『“へんにし”している大阪人』 井上理津子 現代思想2012年5月号 特集=大阪 青土社

現代思想2012年5月号 特集=大阪作者: 酒井隆史,中沢新一,井上理津子,モブ・ノリオ,木村政雄,千葉雅也,磯崎新出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/04/27メディア: ムック クリック: 22回この商品を含むブログ (10件) を見る「大阪」が特集,という理由で,久…

“ほんの少し掘り返すだけで、土地は意外なほどに様々な問いを投げかけてくる” 『オオカミの護符』 小倉美惠子 新潮社

オオカミの護符作者: 小倉美惠子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/12/15メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログを見る著者は,自分の育った土地の古い習慣や,しきたり,信仰を記録に残すことをはじめる.何より驚くのは,神奈川県川崎市…

“以前は人が獣類を圧倒していたのに、いまや人が獣類に負け始めている” 『女猟師』 田中康弘 エイ出版社

女猟師作者: 田中康弘出版社/メーカー: エイ出版社発売日: 2011/07/25メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (4件) を見るけもの偏の猟師である.猟師という職業への興味は,月刊「みすず」の連載で始まった(著者は別). ゲームへの熱狂ぶ…

“そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない” 『さいごの色街 飛田』 井上理津子 筑摩書房

さいごの色街 飛田作者: 井上理津子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 210回この商品を含むブログ (51件) を見る飛田を取材して,「真っ当な」本にするということが可能なのだろうか,と思っていた.しかも…

“性の世界は、同じ心理的な磁場にいる人々にとっては「生きる喜びの表れ」だが、その磁場から一歩離れたところに立つ者からは、下品で、レベルの低い人間の所行とされがちなのである” 『盆踊り 乱交の民俗学』 下川耿史 作品社

盆踊り 乱交の民俗学作者: 下川耿史出版社/メーカー: 作品社発売日: 2011/08/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (4件) を見る本屋さんで,帯を見てびびってはいけない. 帯表より 〈盆踊り〉とは、 生娘も人妻も乱舞する “乱…

“それは「クロード・レヴィ・ストロース」という名の、おおきな知性の森を歩くようなもので、そこではルネサンス絵画の秘密も神経科学の知見も、小路に咲く花のひとつのように、そっと差し出されてくるのであった” 『レヴィ=ストロースの庭』 港千尋 NTT出版

レヴィ=ストロースの庭作者: 港千尋出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2008/11/17メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (21件) を見るクロード・レヴィ=ストロースの庭と聞いて,いったいどんな世界が開かれる庭だろうか,…

“網野さんが豊かな想像力と批判精神をとおして創造しようとした歴史学は、墓石も記念碑も土の下に埋葬されてきた人間たちのために、記憶の大地にみずみずしい花を咲かせようとすることだった” 『僕の叔父さん 網野善彦  (集英社新書) 』 中沢新一 集英社

僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)作者: 中沢新一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/11メディア: 新書購入: 5人 クリック: 42回この商品を含むブログ (131件) を見る網野善彦は中沢新一の叔父さんだった.網野善彦の死後,若き日の交流を思い出とともに…