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“情熱だけではいけない。世におくった本が少しでも生命を長らえるためには、商品としての性格も冷静に見極めなくてはなりません。” 『読者の皆さまへ』 みすず書房編集部長 守田省吾 みすず 2011年10月号 no.598

みすず 2011年10月号 no.598:p.65『読者の皆さまへ』

みすず書房創業者の一人である小尾敏夫氏の訃報を伝える小文.
2011年8月15日没.この日は,丸山真男の亡くなった日付,フランクル『夜と霧』初版の発行日でもあるとのこと.

 最初に世におくった本は、一九四六年七月一日、片山敏彦『詩心の風光』。片山敏彦や宮本正清との出会いからは三次にわたる『ロマン・ロラン全集』が生まれました。

片山訳のジャンクリストフが欲しくて,大学のみすずセールで探したことがある.第一巻だけどうしても品切れで諦めたのでした.
松岡正剛氏の千夜千冊によれば,,氏がずっと気になっていたのは長野生まれの3人,古田晃・臼井吉見唐木順三がつくった筑摩書房と、小尾俊人が起こしたみすず書房であるという.そして,

(筑摩書房の)3人の一致したスローガンは「一つの出版社は一つの大学に匹敵する」というものである。
(略)
小尾は「国家とは別の確信」とは何かということを編集の基本においた。

『現代史資料』は手に取ったことはないが,その世評は何度もきいたことがある.小尾氏が神田の古本屋で発掘した資料がきっかけとなり,全58巻にいたったという.
小尾の著書から引用しつつ

しかし,情熱だけではいけない。世におくった本が少しでも生命を長らえるためには、商品としての性格も冷静に見極めなくてはなりません。
 「社会的分業の一つとしての出版業は、二つの焦点(フォーカス)をもっています。それは、第一には、出版物が、人間の精神的生産物として、意味をもつということ、第二には、商品として、市場に流通する価値をもつということ」

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