“最低限のお金の辻褄を合わせて、幻のような戯れができればいい” 蓋棺録 辺見じゅん, 文藝春秋 2011年11月号

みすず書房の創立者の一人である,小尾俊人氏の著作に,『昨日と明日の間―編集者のノートから』(小尾俊人幻戯書房)があるのを知ったが,幻戯書房という出版社をはじめて知り,気になっていた.今月号の文藝春秋の蓋棺録を読んで,辺見じゅん氏が亡くなったのを知った.なんと,辺見じゅんが創立した出版社が幻戯書房であった.
 辺見じゅんは,角川書店創業者の角川源義を父に,春樹,歴彦氏を弟に持ち,ノンフィクション作家として活躍していた.以前から親しんできた書き手の一人である.

 二〇〇二年に、幻戯書房を創設したのは、父が夢見た「売れる本より出したい本」の出版を少しでも実現したいと思ったからだ。社名は父親が自宅に付けた「幻戯山房」からとった。「最低限のお金の辻褄を合わせて、幻のような戯れができればいい」。

【関連読書日誌】
“情熱だけではいけない。世におくった本が少しでも生命を長らえるためには、商品としての性格も冷静に見極めなくてはなりません。” 『読者の皆さまへ』 みすず書房編集部長 守田省吾 みすず 2011年10月号 no.598
【読んだきっかけ】文藝春秋 2011年11月号
【一緒に手に取る本】

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)

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完本 男たちの大和〈上〉 (ちくま文庫)

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北越雪譜』(岩波文庫)はもっているが,これはどんな本だろう
新・北越雪譜 (角川選書 (153))

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昨日と明日の間―編集者のノートから

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