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“「粗食のすすめ」は要介護の高齢者を量産するエイジングキャンペーンである” 『介護されたくないなら粗食はやめなさい ピンピンコロリの栄養学 (講談社プラスアルファ新書)』 熊谷修 講談社

介護されたくないなら粗食はやめなさい ピンピンコロリの栄養学 (講談社+α新書)

介護されたくないなら粗食はやめなさい ピンピンコロリの栄養学 (講談社+α新書)

 How-to もの,といっては失礼かもしれないが,重要なメッセージを少しでも多くの人に届け,実効性の高い形で伝えようとすれば,How-to 的な書き方は,一つのテクニックであろう.
 一方,読み手の側には,数ある How-to 書の中から,信頼のおける情報を取捨選択できる知識と能力それに加えて,ある種の嗅覚のようなものが求められる.
 著者である,熊谷修(くまがいしゅう)氏については,お名前も初めてでまったく予備知識を持たない.それでも,本書を手にとって見ようと思ったのは,

  • 東京都老人総合研究所での長い研究歴をもつこと
  • 薬の治験に相当する「介入研究」の経験から得られた結果であること.疫学調査と言ってもいいのかもれない
  • グラフを用いた科学的,論理的解説がなされていること
  • 何がどうしていけないのか,何をすればよいのか,といったメッセージが簡明に整理されていること
  • 特定の食品や薬品を推奨していないこと

などからである.
 よく言われる常識と異なる重要な点をまとめれば,

  • 中年のメタボ対策と,高齢者(や閉経後の女性)の栄養対策はまったく異なる
  • 粗食は長寿の結果であって,要介護を量産する
  • 重要な栄養指標は血清アルブミン.タンパクも油脂も摂るべし

著者は,

「粗食のすすめ」は要介護の高齢者を量産するエイジングキャンペーンである

と言い切る.
帯から

50歳以降は肉や卵や油脂を積極的に摂ろう
指標は血清アルブミン。毎日10食品群のチェックだけで、ぼけと寝たきりが予防できる!

裏帯から

「メタボ対策」を実践さえすれば、あたかも「健康長寿の実現」が保障されるかのような認識を持つ方々が数多くおられる。「それは錯覚」と断言しよう。(中略)筆者は、東京都老人総合研究所(現・東京都健康長寿医療センター研究所)で、長年にわたり都の健康施策を構築する研究に取り組んできた。(中略)それらの研究成果を概括すると、「病気を標的にした健康づくり」から「老化の遅延」へと軸足を移すことがせまられている。本書は、「要介護」に陥ることなく経済的にも安定した人生後半を過ごすためには、いったいどのような健康づくりの手立てを実践すればいいのか、最大の関心事である「栄養問題」を中心に、最新の科学データにもとづき紹介するものである。

老化を遅らせるための10か条.50歳くらいからの実践を推奨している.

  1. 欠食は絶対に避ける
  2. 動物性タンパク質を十分に摂取する
  3. 魚と肉の摂取は1対1程度の割合にする
  4. 油脂類の摂取が不足しないよう注意する
  5. 牛乳を200ミリリットル程度飲む
  6. 食材の調理法や保存法をよく知る
  7. 調味料を上手に使い、おいしく食べる
  8. 自分で食品を購入して、食事を準備する
  9. 会食の機会を積極的につくる
  10. 余暇活動を取り入れた運動習慣を身につける

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