“人情(のはずの)大阪と、冷たくすました(はずの)東京が逆転し、今や、東京のほうがいわゆる「大阪的」、大阪のほうがいわゆる「東京的」になっているのではないか” 『“へんにし”している大阪人』 井上理津子 現代思想2012年5月号 特集=大阪 青土社
私はこのところとみに、「大阪の人たち、“大阪ナショナリズム”と“東京対抗意識”から、もういい加減に抜け出て、もともとの元気を取り戻しましょうよ」という気持ちになっていた。
なるほど,なるほど.ところが,数年前に(大阪では仕事がないので)東京へ転居してみると,
そんなふうに、人情(のはずの)大阪と、冷たくすました(はずの)東京が逆転し、今や、東京のほうがいわゆる「大阪的」、大阪のほうがいわゆる「東京的」になっているのではないか、と首をかしげるシーンに、私はたびたび遭遇した。
井上氏の知人(編集者か同業者か?,大阪在住)は次のよう言っていて,納得感があるらしい,.
「東京対抗意識は今に始まったことではないけれど、橋下市長という格好の全国注目株の出現によって、『ほらやっぱり大阪が世界の中心やん』みたいな変なスイッチが入ってしまったんじゃない?
(略)
それでいて、今の大阪の人たちには、自分たちが橋下市長を選んだという当事者意識が希薄なふりをする。『どうせ大阪はノック(知事)を出した町やから』って、他人事のように言うのを、耳にタコができるくらい聞いた」
この分析は鋭いと思う.井上氏にとって,『些細だが重要な私の「大阪」』とは,ホームで秩序正しく整列する東京と,なんとなく横に並ぶ大阪の違いについて,
大阪では、〈なんとなく先にいる人から〉という暗黙のルールが保たれているのだ。だから、いい大人が小学生のように列をつくる必要などないのだ。こういった秩序は一朝一夕にはできない。
という.なるほどそういう見方も確かにあるかもしれない.
タイトルの「へんにし」については後日追記予定
【関連読書日誌】
- (URL)“大阪は、何とか息苦しい(生き苦しい)世の中を、スルリ、楽しく生きるコツが詰まっているエリアだ” 『大阪ルール』 都会生活研究プロジェクト[関西チーム] 中経出版
- (URL)“そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない” 『さいごの色街 飛田』 井上理津子 筑摩書房
【読んだきっかけ】
【一緒に手に取る本】
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