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“沖縄の悲劇は、沖縄の人々がどんなに抗議しても、日米間の政治家には届かないのだ。『運命の人』を書いた私は無力感にうちひしがれている” 『「大地の子」と「運命の子」』 山崎豊子 文藝春秋 2013年 01月号

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]

文藝春秋創刊90周年記念にあたって,特別寄稿「文藝春秋と私」が掲載されているもののうちの一つ.他の寄稿者は,阿川弘之塩野七生
日中問題を扱った『大地の子』,沖縄問題を扱った『運命の子』にまつわる秘話.
中国を書いて欲しいという,共産党総書記胡耀邦氏との出会い.

胡耀邦さんは言った。「中国を美しく書いてくれなくても良い、それが真実であるならば」

取材の断念と,「大地の子」の執筆開始.

取材から初めて書き終わるまで、七年間の歳月を要した。無我夢中だった。この間,くずれおちそうになったのが、胡耀邦さんの急逝だった。一業種一人しか会見しないという決まりを私の要望によって一年に一回ずつ1968年12月まで計三回会って下さり、絶えず取材の心配をして便宜を計らうように通達を出して下さった。そうした配慮がなければ、自由主義国の作家が、現代中国を舞台にした小説を書くことは出来なかった。胡耀邦さんは大恩人である。

弔問に向かい邸内にはいりまでの経緯,遺影と遺骨を前に号泣する.完成後,江西省にあるお墓を探り当て,墓前に『大地の子』を供え慟哭する.
山崎豊子は,毎日新聞の記者出身である.1924年生まれ!

沖縄の悲劇は、沖縄の人々がどんなに抗議しても、日米間の政治家には届かないのだ。『運命の人』を書いた私は無力感にうちひしがれている。

1991年 『大地の子』で第52回文藝春秋読者賞
2009年 『運命の人』で第63回毎日出版文化賞特別賞
ドラマ化された,TBS日曜劇場「運命の人」,視聴率は期待ほどではなかったかもしれないが,感動的なできばえであったと思う.
【関連読書日誌】

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【読んだきっかけ】
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