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“だが、それもまた、現実の死をあくまでもロマネスクに感じ取ろうとしたがる、若い世代特有の思い上がりに過ぎなかった” 『沈黙のひと』 小池真理子  文藝春秋

沈黙のひと

沈黙のひと

小池真理子の実父に関わるエピソードに材をとった小説.2013年吉川英治文学賞
パーキンソン病を患い,施設でなくなった父.その遺品からでてきた驚くべき物と過去をめぐる手紙.帝国大学を卒業した文学肌で堅物サラリーマンだと思っていた父の実像.それぞれにそれぞれの人生が隠れていることを語る父へのオマージュとも言える作品.

若かったころ、私にとって人の死は一つのロマンスだった。
 通夜や告別式の会場では、こみあげるものも確かにあった。本気で涙したこともある。だが、それもまた、現実の死をあくまでもロマネスクに感じ取ろうとしたがる、若い世代特有の思い上がりに過ぎなかった。

【関連読書日誌】

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【読んだきっかけ】文藝春秋2013年5月号の小池真理子「父の遺品──『沈黙のひと』が生まれるまで」   
【一緒に手に取る本】

文藝春秋 2013年 05月号 [雑誌]

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