“だが、それもまた、現実の死をあくまでもロマネスクに感じ取ろうとしたがる、若い世代特有の思い上がりに過ぎなかった” 『沈黙のひと』 小池真理子 文藝春秋
- 作者: 小池真理子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/11
- メディア: 単行本
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パーキンソン病を患い,施設でなくなった父.その遺品からでてきた驚くべき物と過去をめぐる手紙.帝国大学を卒業した文学肌で堅物サラリーマンだと思っていた父の実像.それぞれにそれぞれの人生が隠れていることを語る父へのオマージュとも言える作品.
若かったころ、私にとって人の死は一つのロマンスだった。
通夜や告別式の会場では、こみあげるものも確かにあった。本気で涙したこともある。だが、それもまた、現実の死をあくまでもロマネスクに感じ取ろうとしたがる、若い世代特有の思い上がりに過ぎなかった。
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【読んだきっかけ】文藝春秋2013年5月号の小池真理子「父の遺品──『沈黙のひと』が生まれるまで」
【一緒に手に取る本】
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 雑誌
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