“家族って「ある」ものじゃなかった。家族は「する」ものだったんだ” 『世界から猫が消えたなら』 (小学館文庫) 川村元気 小学館
- 作者: 川村元気
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p.77
でもよく考えたら、僕の心にはそんな小さな痛みがたさんある。その小さな痛みのことを、人は後悔と呼ぶのだろう。
p.176
家族だから。そこにいることが当たり前で、当然いつまでもうまくやっていけるものだと信じて疑わなかった。そう思って、お互いの話を聞かず、自分お正義だけを主張し続けた。
でもそれは違った。
家族って「ある」ものじゃなかった。家族は「する」ものだったんだ。
p.199
「明日死ぬかもしれないと思う人間は、限られている時間を目いっぱい生きるんだ」
そんなこと言う人がいる。
でもそれは嘘だと僕は思う。
人は自分の死を自覚したときから、生きる希望と死へ折り合いをゆるやかにつけていくだけなんだ。たくさんの些細な後悔や、叶えられなかった夢を思い出しながら。
でも世界から何かを消す権利を得た僕は、その後悔こそが美しと思える。それこそが僕が生きてきた証だからだ。
【関連読書日誌】
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- (URL)“思っている限り、人は生き続ける。 忘れること、忘れられることを恐れながら、それでも生きていこう” 『コンニャク屋漂流記』 星野博美 文藝春秋
- (URL)“幸せだった思い出を語るのが,いちばんうれしいことではないか” 『いまも、君を想う』 川本三郎 新潮社
【読んだきっかけ】
【一緒に手に取る本】
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