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“ほんとうに必要なのは、僕ら自身が「絶対に戦わない」という決意をすることじゃないのか。戦争に対して"反戦"を唱えるのではなくて、戦争を起こさないように、戦争が起きる前に、僕らが普段からなにができるか、なにをするべきかを考えてやっていく。“平和”って、そういうことの上にあるんだと思う。そういう努力は、「絶対に戦わない」っていう強い意志がなければだめなんだ” 『特攻隊と戦後の僕ら―「ザ・ウインズ・オブ・ゴッド」の軌跡”  (岩波ブックレット (No.386)) 今井雅之 岩波書店

僕にとっての特攻隊
P.4

これは笑い話なんですけれども、いつもそぅいう感じだったので、中学になって、山を下りてマンモス校へ入学したとき、初めてのテストで「相談してはいけない」と聞いたときにはびっくりしましたね(笑)。そのぐらいすごいところだったんです。

P.10 特攻隊の実像から生まれた『ウィンズ』

僕は自衛隊にいたからわかるんですが、遺書といぅのは検閲されるわけですね。でも、検閲されているわりには、そのなかの文章一つひ
とつの端々に「俺はもっと生きていたかったんだ」みたいなものを感じるわけです。

P.21 “時代”の流れ

僕らは戦争を経験してないのでわからないのですが、「その流れに逆らう勇気よりは、死ぬほうが楽だった」「死ぬ勇気はあっても、その“時代”の流れに一人だけ、戦争反対と言う勇気はなかった」と。実際にその当時、「アカ(共産主義者)だ」と言われて牢屋に入れられて親戚からなにからひどいめにあった、そういう方もおられましたけれども「自分はそんな“非国民”と言われてまで反対する勇気はなかった」ということを話しておられました。

自衛隊というところ
アメリカ公演で考えたこと
P.43 役者の仕事

 『ウインズ』は、「アメリカが悪い」「日本が悪い」、そういうことを題材にしているんじゃないんです。ただ「戦争というものは馬鹿なことだょ」ということを訴えたかった。でも、「わからないやつらは言ってくるだろうな」と。それで「これでもか、おまえら!」みたいな感じでや
ったら、ブーイングどころかスタンディング.オペーション(満場総立ちの拍手)みたいな感じになって、すごい受け止め方をされてしまって。

P.44 アメリカの捉えかた

だから、多くの人が「非常にショッキングな作品だ」と言うんです。とても衝撃的なものとして受け止めている。つくった僕はそこまでは考えていませんでしたけど。「ああ、そうか、そういう目で見られてるのか」と。特攻した彼らがほんとに普通の人間だったということのショックが、むこうで火をつけたんです。

P.49 僕の反“反戦”的非戦論

 特にああいう特攻隊の人たちにィンタビュ―していて思うのは、「ああいう流れのなかでそのエネルギーを使わざるをえなかった彼らの青春というのはもう還ってこない」ってことです。僕なんか幸せだと思いますよ。アメリカに行って、こんな特攻隊の舞台ができるんですから。昔じ
ゃ考えられなかった。50年前殺し合っていた国に行って、目の前でこんなことができるんですから。そんな平和な時代に生まれたことを誇りに思いたい。だけど、怒りはすごく感じます、平和すぎて頭が馬鹿になっているのじゃないかと。

P.50 

ほんとうに必要なのは、僕ら自身が「絶対に戦わない」という決意をすることじゃないのか。戦争に対して"反戦"を唱えるのではなくて、戦争を起こさないように、戦争が起きる前に、僕らが普段からなにができるか、なにをするべきかを考えてやっていく。“平和”って、そういうことの上にあるんだと思う。そういう努力は、「絶対に戦わない」っていう強い意志がなければだめなんだ。これまで、そういう努力がなかったとは言わないけれど、いまの"反戦"って言葉には、なにか欠けてる気がするんです。

P.51

僕は戦争というものは、人間の心のなかから起きるものだと思っています。そのマグマはいまでも残って いると思いますし、 爆発させないためにはどうしていけばい いのか。 日常的な平和への努力を、僕は「絶対に戦わない」というところから考えていきたいと思うんです。

戦後の僕ら
P.58 若者のエネルギー

特攻隊の人たちとコミュニヶーションをとって、ほんとに一つわかったことは、「いまの若者は」という言葉は絶対に間違っているということです。若者は50年前となんら変わってない。髪の毛と服装だけが変わっているだけであって、根本的な若者のエネルギーというのは全然変わ
ってない。ある時代では特攻隊であり、ある時代では全く逆の日米安保反対の学生運動であったり、暴走族であった、竹の子族であった。いまでは受験戦争に莫大なエネルギーを使ってる。

【関連読書日誌】

  • (URL)“「夢は叶う、思い強ければ」----今井さんが会見で語った言葉です” こぼればなし 図書 2015年 07月号 岩波書店
  • (URL)“でも、今、時代は俺を必要としている。こんなちっぽけな俺でも、もしかしたら歴史を変えられる力があるんじゃないかってね” 『THE WINDS OF GOD零のかなたへ』  (角川文庫) 今井雅之 角川書店

【読んだきっかけ】
【一緒に手に取る本】