2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

“文学は、ある意味では勝利者の手によってつくられてゆく歴史への反逆である” 『マラーノの系譜  (みすずライブラリー) 』 小岸昭 みすず書房

マラーノの系譜 (みすずライブラリー)作者: 小岸昭出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1998/06メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る初刊1994年,手元にあるのが1998年の版だから,読んだのはずいぶん昔になる.私にとって.こ…

“「非行」というものは、人間のしでかす、わりと一般的な行為であるから、「非行」を考えるということは、つまり人間を考えるということである” 『「非行」は語る―家裁調査官の事例 (新潮選書)』 藤川洋子 新潮社

「非行」は語る―家裁調査官の事例ファイル (新潮選書)作者: 藤川洋子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/01メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る1951年生まれ,家庭裁判所の調査官を長く務めてきた人の著作.事例ファイルと副…

“欲しいものは最高のものを持ちなさい” 『ストラディヴァリウスの真実と嘘 至高のヴァイオリン競演CD付き』 中澤宗幸 世界文化社

ストラディヴァリウスの真実と嘘 至高のヴァイオリン競演CD付き作者: 中澤宗幸出版社/メーカー: 世界文化社発売日: 2011/05/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (2件) を見るヴァイオリンは私のとって謎の,得たいの知れない楽…

“こういう失敗を重ねつつもお酒がやめられないのは、やはり人との交流や会話が楽しいからでしょう” 『酔って記憶をなくします (新潮文庫)』  石原たきび編 新潮社

酔って記憶をなくします (新潮文庫)作者: 石原たきび出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/09/29メディア: 文庫 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見る酔って記憶をなくした人たちの体験集. アルコールに弱く,飲むと寝てしまう私には別世界の…

“男にも女にもいろんな生き方があり、いろんな幸せがあるのだということが、この国の常識になるのはいったいいつの日だろう” 『如月小春は広場だった―六〇人が語る如月小春 』 『如月小春は広場だった』編集委員会(西堂行人+外岡尚美+渡辺弘+楫屋一之) 新宿書房

如月小春は広場だった―六〇人が語る如月小春作者: 『如月小春は広場だった』編集委員会出版社/メーカー: 新宿書房発売日: 2001/12メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る2000年12月に急逝した,劇作家,演出家の如月小春さんの追…

“今回の大災害は、これまで通用してきたほとんどの言説を無力化させた。それだけではない。そうした言葉を弄して世の中を煽ったり誑かしたりしてきた連中の本性を暴露させた。” 『津波と原発』 佐野眞一 講談社

津波と原発作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/17メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 73回この商品を含むブログ (30件) を見る 大震災に次ぐ原発事故.その被災地域の広さと回復に要するであろう時間において,日本国にとって有史以来…

“わざわざ本屋に行って、本を見たり、触ったり、買ったり,僕らは 本屋好き。” 『BRUTUS 2011年 6/1号』 マガジンハウス

BRUTUS (ブルータス) 2011年 6/1号 [雑誌]出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2011/05/16メディア: 雑誌購入: 6人 クリック: 299回この商品を含むブログ (42件) を見る本屋が至福の場所であるひとにはたまらない特集. センスよく魅力的な仕上がり.保…

“時代の断片を感性で見つけ出してそれを拡大したり深く入り込んだりしながらメッセージを発信していかなくてはなるまい” 『滅びのチター師―「第三の男」とアントン・カラス  (文春文庫) 』 軍司貞則 文藝春秋

滅びのチター師―「第三の男」とアントン・カラス (文春文庫)作者: 軍司貞則出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1995/12メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見るグレアム・グリーン原作,キャロル・リード脚本,監督による映画,「第三…

“おしなべて回想は恥多きものですが、歳月の経過に濾過されて〈現在(いま)〉という刻(とき)を純にしたりもします。” 『当マイクロフォン』 三田完 角川グループパブリッシング

当マイクロフォン作者: 三田完,木内達朗出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/06/28メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (5件) を見る2012.1.22追記 昨年11月にCD「心のナレーション 中西龍」が発売されてい…

“大きなキッチンも、高い材料もいりません。必要なのは小さなやる気と30分。” 『19時から作るごはん』 行正り香 講談社

19時から作るごはん作者: 行正り香出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/06/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 81回この商品を含むブログ (55件) を見る故あって,1年ほど前に,お手軽料理用の,調理初心者でも役立ちそうな本を,「ほ…

“自然の中での一番のルールは人間の痕跡を残さないこと” 『きのこのほん』 鈴木安一郎(すずきやすいちろう) ピエブックス

きのこのほん作者: 鈴木安一郎(すずきやすいちろう)出版社/メーカー: ピエブックス発売日: 2010/10/15メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 9回この商品を含むブログ (6件) を見る美しい本である. 富士山の東西南北にあるきのこの写真集.なにより…

“恐るべきは国家の犯罪である。弾劾さるべきは、理想に名を借りて犯罪を目的化した国家のイデオロギーである。” 『カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺』 ヴィクトル・ザスラフスキー 根岸隆夫訳 みすず書房

カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺作者: ヴィクトル・ザスラフスキー,根岸隆夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2010/07/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (14件) を見る誰でも親しい人の死にはあれほど悲むのに,毎年…

“もし読者が本書を読み始めたときよりもそれ以上の疑問を抱いて読み終えたならば,私は大変光栄である.” 『バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ? 』 レーナード・M・ワプナー 佐藤宏樹, 佐藤かおり訳 青土社

バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?作者: レーナード・M・ワプナー,佐藤宏樹,佐藤かおり出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/11/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見るこんなことがあっていいのだろう…

“試されているのはオバマではなく私たちだ” 『正社員が没落する ――「貧困スパイラル」を止めろ!  (角川oneテーマ21) 』 湯浅誠, 堤未果 角川グループパブリッシング

正社員が没落する ――「貧困スパイラル」を止めろ! (角川oneテーマ21)作者: 湯浅誠,堤未果出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2009/03/10メディア: 新書購入: 4人 クリック: 81回この商品を含むブログ (32件) を見る堤未果による最近のアメ…

“僕はその日,学術的な講義をするふりをしながら,自分という人間を空き瓶に詰め込み,海辺に流れ着いたその瓶を子供たちが拾う日のことを考えていた.” 『最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版』 ランディパウシュ, ジェフリーザスロー, 矢羽野薫訳 武田ランダム

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに作者: ランディパウシュ,ジェフリーザスロー,矢羽野薫出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン発売日: 2008/06/19メディア: 単行本購入: 33人 クリック: 354回この商品を含むブログ (183件) を見る原書の装幀…

“人間は表流水ばかりに気をとられないで、時には自分の川底をひっくり返して攪拌しなければいけないのかもしれない。” 『腰痛放浪記 椅子がこわい  (新潮文庫) 』 夏樹静子 新潮社

腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)作者: 夏樹静子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/07/30メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 118回この商品を含むブログ (34件) を見る初出は,『椅子がこわい 私の腰痛放浪記』(文藝春秋,1991年刊)である. 世の中…

“幸せだった思い出を語るのが,いちばんうれしいことではないか” 『いまも、君を想う』  川本三郎 新潮社

いまも、君を想う作者: 川本三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/05メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 35回この商品を含むブログ (12件) を見る川本三郎氏の映画評は,新聞,雑誌,映画のパンフレットなどでよく目にしたものです.冷静な落ち着いた…

“治癒しなくても,障害があっても生きていける社会を” 『東京へ この国へ リハの風を!―初台リハビリテーション病院からの発信』 土本亜理子 シービーアール

東京へ この国へ リハの風を!―初台リハビリテーション病院からの発信作者: 土本亜理子出版社/メーカー: シービーアール発売日: 2005/10/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る読んだのは5年以上前になる.リハビリテ…

“彼ら自身は平凡な市井の人ではあるが,やっている仕事は非凡なのである” 『日本一の秘書―サービスの達人たち  (新潮新書 411) 』 野地秩嘉 新潮社

日本一の秘書―サービスの達人たち (新潮新書 411)作者: 野地秩嘉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (6件) を見る野地秩嘉によるサービスの達人シリーズ第3弾である.取材対象は下記.達…

“丁寧にやることがいい,手間ひま掛けることがいい,たっぷりと時間をかけて,心を込めてつつましく” 『までいの力 』 SEEDS出版, 飯舘村 SEEDS出版

までいの力作者: SEEDS出版,飯舘村出版社/メーカー: SEEDS出版発売日: 2011/04/11メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 38回この商品を含むブログ (6件) を見る 副題に「福島県飯舘村にみる一人一人が幸せになる力」とある.5月5日の朝日新聞天声人語…

“歴史の中に頌徳(しょうとく)された人物の光輝は、そこから排除された人物の影の濃密さによってこそ齎(もたら)されている。” 『巨怪伝〈上・下〉―正力松太郎と影武者たちの一世紀  (文春文庫)』 佐野眞一 文藝春秋

巨怪伝〈上〉―正力松太郎と影武者たちの一世紀 (文春文庫)作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/05メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 86回この商品を含むブログ (34件) を見る巨怪伝〈下〉―正力松太郎と影武者たちの一世紀 (文春文庫)作者:…

“罪を犯すような事態に、自分だけは陥らないと考える人は多いかもしれません。しかし、入生の明暗を分けるその境界線は非常に脆いものです。” 『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』 堀川惠子 講談社

裁かれた命 死刑囚から届いた手紙作者: 堀川惠子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/03/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (18件) を見る(2011.10.1追記) 祝!第十回新潮ドキュメント賞 受賞 受賞すべくして受賞した作品…