2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

“専門でない研究領域の人たちに,そして市民に,みずからも一個の研究者ではなく,同時に一人の市民でもある者として,どんなふうに語りかけてゆけばよいのか,とことん悩むこと。そのときの語りづらさというものを,研究者はこのあたりで,とことん経験すべきではないかとおもう” 『語りづらさの経験を』 鷲田清一 科学 2012年 04月号 岩波書店

科学 2012年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/03/30メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る2011年7月号の鷲田清一氏による巻頭言『見えないもの,そして見えているのにだれも見ていないもの』の続編とでも言えるもの.語ること,説く…

“しかし私は、「愛というイデオロギー」に殉じようとした高度な緊張感と、そのためにもたらされたアトリエ内部の「冷ややかな暗さ」を、智恵子変調の原因に加えたい誘惑にかられる” 【高村光太郎 日本への愛憎に揺れた大きな足の男】『 「一九〇五年」の彼ら』 関川夏央

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る本書の第七章 高村光太郎 日本への愛憎に揺れた大…

“彼女は偉大な妻であり、偉大な母であった。しかし、文学上の仕事は、『みだれ髪』刊行からこの〇五年までの五年間がピークであった” 【与謝野晶子 意志的明治女学生の行動と文学】 『 「一九〇五年」の彼ら』 関川夏央 NHK出版

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る本書の第八章 『与謝野晶子 意志的明治女学生の行…

“私は官邸で会議を重ね、ついに「財政構造改革法」という法律を作りました。梶山・与謝野のコンピで成し遂げた仕事のなかで、これは傑作中の傑作です” 『全身がん政治家』 与謝野馨, 青木直美 文藝春秋

全身がん政治家作者: 与謝野馨,青木直美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/06メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る期待以上に読みごたえのある一書.4つの原発癌,2回の再発と闘いながら過ごしてきた人生を語る.衆議院…

“その感慨は、必ずしも共感だけではなく、違和感であっても、否定感であってもよい、とにかく、人々が、無関心な、英語で言えば〈indifferent〉な状態から一歩抜け出して、色々な体験と思いを交わし合える一つの材料でありさえすれば、それで十分、という思いもあります” 『私のお気に入り ─観る・聴く・探す』 村上陽一郎 集英社

私のお気に入り ─観る・聴く・探す作者: 村上陽一郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/02/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るストイックに一生を過ごしてきた人であっても,晩年になって,昔を振り返りつつ思い出を語りはじめる人は多…

“漢籍的教養の上に西欧的教養を積んだものたちが「明治一五年以前生まれ」なら、白紙の上に西欧的教養を積んだのが「明治一五年以後生まれの青年たち」であろう。武士的道徳が消滅したのち、大衆的流行文化と経済万能主義の大波を浴びつつ人となった世代、ということでもあろう” 『 「一九〇五年」の彼ら ― 「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378) 』 関川夏央 NHK出版

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る1905年(明治38年)に壮年期を迎えていた彼ら,日…

“見る存在である君は 見られる存在でもある” 『免疫学の巨人イェルネ』  トーマス・セデルキスト,宮坂昌之監修, 長野敬, 太田英彦訳  医学書院

免疫学の巨人イェルネ作者: 宮坂 昌之,長野 敬,太田 英彦出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2008/02メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るScience as Autobiography: The Troubled Life of Niels Jern作者: Thomas Soederqvist,D…

“いつの時代も、てらいのないまっすぐな理想と抱えきれぬほどの自負、現状のまっこう否定は、若き後継者たちの特権なのである” 『君は隅田川に消えたのか 藤牧義夫と版画の虚実』 駒村吉重 講談社

君は隅田川に消えたのか -藤牧義夫と版画の虚実作者: 駒村吉重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/13メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 68回この商品を含むブログ (18件) を見るそれほど期待して買ったわけではなかった.帯に洲之内徹の名前がなけれ…

“運命とは、人生の中での出会いのことである。出会った人との関係は一生続き、出会ったものごとの影響は、死ぬまで残る” 『運命を生きる――闘病が開けた人生の扉 (岩波ブックレット) 』 浅野史郎 岩波書店

運命を生きる――闘病が開けた人生の扉 (岩波ブックレット)作者: 浅野史郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/05/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る寡聞にして,宮城県知事を務めた浅野史郎氏がATL(成人T細胞白血病)…

“ほんの少し掘り返すだけで、土地は意外なほどに様々な問いを投げかけてくる” 『オオカミの護符』 小倉美惠子 新潮社

オオカミの護符作者: 小倉美惠子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/12/15メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログを見る著者は,自分の育った土地の古い習慣や,しきたり,信仰を記録に残すことをはじめる.何より驚くのは,神奈川県川崎市…

“人間が創りまた人間がことばにあてはめようとした文字というもの全体を総合的に理解する試みは始まったばかりです” 『 図説 アジア文字入門 (ふくろうの本/世界の文化) 』 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 河出書房新社

図説 アジア文字入門 (ふくろうの本/世界の文化)作者: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/04/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (14件) を見る東京外語大のAA研(アジ…