2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

“人生の終わりに近づくと−いや、人生そのものでなく、その人生で何かを変える可能性がほぼなくなるころに近づくと−人にはしばし立ち尽くす時聞が与えられる。ほかに何か間違えたことはないか…。そう自らに問いかけるには十分な時間だ” 『終わりの感覚』 ジュリアン・バーンズ 新潮社

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)作者: ジュリアンバーンズ,Julian Barnes,土屋政雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/12メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (30件) を見るThe Sense of an Ending作者: Julian …

“大正という時代は明治の生真面目さが熔解しはじめた時期である” 『伊藤野枝と代準介』 矢野寛治 弦書房

伊藤野枝と代準介作者: 矢野寛治出版社/メーカー: 弦書房発売日: 2012/10/19メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログを見る 時代の空気をつかむのは難しい.大正という激動の転換期.その時代をよむことができる.大杉栄ととも…

“ぼくは思いだす、ベンヤミンよりわずか若く、一九一九年に二0歳の無名の詩人だったベルトルト・ブレヒトが、ローザと革命の敗北とを悼む「くれないのローザのバラード」を書いた、といわれていることを。” 『 バイエルン革命と文学  (1981年)  (白水叢書〈52〉) 』 野村修 白水社

バイエルン革命と文学 (1981年) (白水叢書〈52〉)作者: 野村修出版社/メーカー: 白水社発売日: 1981/02メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る1981年1月刊.同年3月読了とある.恐らく大学生協で購入して読んだもの.山口昌男の著作で…

“ふたりに敬意を表すべきは、輝かしい業績ではなく、「自由」を得るために、長いあいだ地道に行われつづけた壮絶な「稽古」にある、と私は思うのである” 『「加藤周一」という生き方 (筑摩選書)』 鷲巣力 筑摩書房

「加藤周一」という生き方 (筑摩選書)作者: 鷲巣力出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る日本を代表する知識人であった,加藤周一.予備校時代,国語のたいへん出来る友人がいて,彼が…

“しかし,私にとっては,やはり何としても不思議である” 『魔方陣』 大森清美 冨山房

新編 魔方陣作者: 大森清美出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1992/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る魔方陣作者: 大森清美出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1973メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る手元にあるのは旧版第三刷1975年…

“沖縄の悲劇は、沖縄の人々がどんなに抗議しても、日米間の政治家には届かないのだ。『運命の人』を書いた私は無力感にうちひしがれている” 『「大地の子」と「運命の子」』 山崎豊子 文藝春秋 2013年 01月号

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/12/10メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る文藝春秋創刊90周年記念にあたって,特別寄稿「文藝春秋と私」が掲載されているもののうちの一つ.他…

“私が介護の原則は「説得より納得」ということに気がつき、母の希望にそった、母中心の介護に変えたとたん、母はみるみる回復した。母の痴呆は介護に対する不満、私に対する最大の抗議だった” 『母 老いに負けなかった人生 (岩波現代文庫)』  高野悦子 岩波書店

母 老いに負けなかった人生 (岩波現代文庫)作者: 高野悦子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/01/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る岩波ホールの映画は学生の時にかなり見た.最初がエルマンノ・オルミの「木靴の樹」.田舎からでてき…

“いつも山峡の大きい自然を、自らは知らぬながら相手として孤独に稽古するのが、彼女の習わしであったゆえ、撥の強くなるは自然である。その孤独は哀愁を踏み破って、野性の意力を宿していた” 『雪国  (新潮文庫 (か-1-1)) 』 川端康成 新潮社

雪国 (新潮文庫 (か-1-1))作者: 川端康成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 118回この商品を含むブログ (196件) を見る小説はあまり読まないのだが.しかし,この歳でよりによって『雪国』とは我ながら驚きである.…