2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

“鶴見さんは、このひとが同時代に生きていてくれたよかった、と心から思えるひとのひとりだった” 『どこにも拠らずに考えぬいた  鶴見俊輔さんを悼む 寄稿』 上野千鶴子 朝日新聞 2015年7月24日 

鶴見俊輔さんが亡くなった。享年92歳。いずれはこういう時がおとずれるとは思っていたが、大切な人をひとり失った。日本のアカデミアとは全くちがうところにその思想の源流を持つ、という点で、余人をもって代え難い人であった。上野千鶴子さんは、高校生の…

“歴史は生き残つた者たちの言葉で語られる。しかし戦争の最大の犠牲者は、言葉を持たぬ死者たちだ。あらゆる戦場において、家族への最期の言葉も、一言の文句も哀しみも、何も言い残すことすら許されず殺されていつた人たちの存在こそ、今、私たちが立ち戻るべき原点である” 『原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年』 堀川惠子 文藝春秋

原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年作者: 堀川惠子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/05/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 2016年6月16日追記 今月号(2016年6月号)の文藝春秋を買って初めて気がつきました。 http://www.bunshun.co…

“私たちが今享受しているこの「マルクスの本を読み、マルクスについて論じることができる環境」というのは世界史的には例外的に恵まれた知的環境である” 『マルクスを読む』 内田樹 パブリッシャーズ・レビュー 2015年7月15日号

パブリッシャーズ・レビューは、東京大学出版会、白水社、みすず書房が発行しているPR誌(8ページのタブロイド新聞)である。各社か交代で紙面を組む。 元少年Aによる『絶歌(ぜっか)』が話題になっているが、人々が良識と節度をもって行動すれば、言論・…

“行政考古学と「遺跡保存」に目的と価値を与えるのは遺物や遺跡そのものではなく、文化論と歴史観以外の何物でもない。その欠落こそが行政考古学の困難の源泉である。その柱があれば、発掘も保存も意味を持ち、展示や教育も目的を持つことができる。そしてそれを創ることこそが大学の責務である” 『考古学崩壊 前期旧石器捏造事件の深層』  竹岡俊樹 勉誠出版

考古学崩壊 前期旧石器捏造事件の深層作者: 竹岡俊樹出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2014/09/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見るP.51 安斎正人は、「報告書が出ていないにもかかわらず、資料を自由自在に使うことができるのは、『行政…

“ほんとうに必要なのは、僕ら自身が「絶対に戦わない」という決意をすることじゃないのか。戦争に対して"反戦"を唱えるのではなくて、戦争を起こさないように、戦争が起きる前に、僕らが普段からなにができるか、なにをするべきかを考えてやっていく。“平和”って、そういうことの上にあるんだと思う。そういう努力は、「絶対に戦わない」っていう強い意志がなければだめなんだ” 『特攻隊と戦後の僕ら―「ザ・ウインズ・オブ・ゴッド」の軌跡”  (岩波ブックレット (No.386)) 今井雅之 岩波書店

特攻隊と戦後の僕ら―「ザ・ウインズ・オブ・ゴッド」の軌跡 (岩波ブックレット (No.386))作者: 今井雅之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/11/20メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログを見る僕にとっての特攻隊 P.4 これは笑い話なんです…

“でも、今、時代は俺を必要としている。こんなちっぽけな俺でも、もしかしたら歴史を変えられる力があるんじゃないかってね” 『THE WINDS OF GOD―零のかなたへ』  (角川文庫) 今井雅之 角川書店

THE WINDS OF GOD―零のかなたへ (角川文庫)作者: 今井雅之出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2001/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (15件) を見る4月に亡くなった今井雅之さんが、ライフワークと言っていた舞台を小説化した…

“宮中というと、どんな我が儘でも通らないことはないかのように、一般からは想像されがちだが、内情は思いのほか窮迫していた。皇室中心とか、国体明徴とか、いうことだけは大げさだったが、それは物資の裏づけのない、口先だけのカラ文句で、毎日の生活は窮迫の一語に尽きた” 『天皇の料理番』  (上・下)  (集英社文庫)  杉森久英 集英社

天皇の料理番 (上) (集英社文庫)作者: 杉森久英出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る天皇の料理番 (下) (集英社文庫)作者: 杉森久英出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/03/20メディア: 文庫この商品…

“人びとは、みなそれぞれ何かの檻に囚われているでしょう。けれど、一人一人が自分を解放するために、言葉と記録はあるのです” 『東京プリズン』  (河出文庫)  赤坂真理 河出書房新社

東京プリズン (河出文庫)作者: 赤坂真理出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/07/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る2012年7月単行本として刊行され、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞、紫式部文学賞を受賞し、話題となった小説。2014年7…

“「夢は叶う、思い強ければ」----今井さんが会見で語った言葉です” こぼればなし 図書 2015年 07月号 岩波書店

図書 2015年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/06/26メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る4月30日に今井雅之さんという役者が亡くなった。お顔は知っていたが、俳優としての活動ぶりはよく知らなかった。当時の報道によれば…