『ベスト・オブ・マイ・ラスト・ソング (文春文庫)』 久世光彦 文藝春秋

ベスト・オブ・マイ・ラスト・ソング (文春文庫)

ベスト・オブ・マイ・ラスト・ソング (文春文庫)

私が15年前に読んだのは,『マイ・ラスト・ソング―あなたは最後に何を聴きたいか (文春文庫)』の単行本(1995年刊)である.このシリーズはその後何冊か出たらしいが,今新本で手に入るのは少ない.副題に「あなたは最後に何を聴きたいか」とあるように,末期の刻(とき)に聴きたいという曲を25曲,その想いとともに集めた本である.一つ一つの曲に,ひとりひとりの思い出と情念が関わる.久世光彦得意の世界である.

再度手に取りたくなったのは,『テコちゃんの時間?久世光彦との日々』を読んだためである.久世光彦その人の生い立ちや人生の細部を知ると,曲に添えられた25の小文が改めて味わい深いものに感じられる.

15年前に読んで以来,この中でどうしても聴いてみたい思い続けている曲が一つある.それは,なかにし礼作曲,三木たかし作詞の「さくらの唄」で,美空ひばりが唄ったもの.同名のテレビドラマも,レコードも売れなかったらしい.幸い,今なら,YouTubeで聴くことができる.

【読んだきっかけ】
【一緒に手に取る本】

触れもせで―向田邦子との二十年 (講談社文庫)

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テコちゃんの時間?久世光彦との日々

テコちゃんの時間?久世光彦との日々