“明るくてアナーキーで、呑気でナンセンスな、かわいらしいマンガを書いてみたいと思ったのだ” 『うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967-81』 佐々木マキ 太田出版

- 作者: 佐々木マキ
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2011/06/23
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帯に,
気がつけばそこは
アナザー・ワールド
自薦マンガ集
奇蹟の刊行!
1960'sに「がろ」で鮮烈なデビューを果たし、マンガ表現に革命的な転換を
もたらした伝説のマンガ家・佐々木マキ。絵本作家・イラストレーターと
しても活躍する著者の永らく入手困難だった幻のマンガ作品を集成!
とある.裏側には,村上春樹の文章.そういえば,確かに村上春樹の小説の表紙は佐々木マキだった.
そもそもマンガというものをほとんど読まないこともあり,佐々木マキがマンガ家だとは知らなかった.ただ,子どもたちが小さい頃,さんざん読んであげた絵本の中で,一番のお気に入りは,親にとっても,子どもにとっても,佐々木マキの絵本だった.特に,『ぶたのたね』『ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします』『いとしのロベルタ』は名著だと思う.なんど繰り返し読んだことだろう.
もう子どもに読んであげることはなくなったけれど,佐々木マキの絵本は,全部揃えたいと思っている.
あとがきに,神戸に生まれてから,マンガ家になるまでのいきさつ,そして,マンガ家になってからのことも,簡単にまとめられている.
20歳で投稿マンガ「ガロ」にはじめて掲載され,雑誌「朝日ジャーナル」が1969年にはじめてマンガを連載する時のマンガ家とし選ばれた.これを推薦してくれたのも,「ガロ」を出版していた青林堂の社長,長井勝一氏であったという.ところが,この連載が,佐々木マキいうところの「マンガの神様」の逆鱗に触れ,わずか十ヶ月で終わる.
「朝日ジャーナルは狂人の作品を載せてはならない。ただちに連載を中止すべきである」
と総合誌に書いたのだそうである.すごい発言である,
その後,
明るくてアナーキーで、呑気でナンセンスな、かわいらしいマンガを書いてみたいと思ったのだ。しかしわたしの場合、そういうものを発表する場所はどこにもありはしなかった。
仕方なく、私はずるずるとイラストレーションや絵本の方面へ、生活の資を得る場を求めて移動したのである。アナザー・タウン、アナザー・ジョブ。
それでも私は時折、マンガを描きたい衝動を抑えられなくなるのである。それで〈絵本〉のフリをして『たわごと師たち』とか『怪盗スパンコール』といった児童マンガを描いてみるのだが、ほとんど売れないまま、たちまち絶版になるのであった。
そういうことだったのですね.
【読んだきっかけ】
新聞書評で知り,すぐに注文.そしたら発行前だった.
【一緒に手に取る本】

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