“私たちは、なぜ原発を、「なかったこと」のようにして、議論のアリーナから退場させてしまたのか” 傍観者からの手紙87 「オルレアンのうわさ」,外岡秀俊, みすず 2011年10月号 no.598

傍観者からの手紙87 「オルレアンのうわさ」,外岡秀俊, みすず 2011年10月号 no.598
外岡秀俊氏による連載.氏の『北帰行 (河出文庫―BUNGEI Collection)』が世に出たのが,高校生の頃で,国語の授業などでも使われたから思いで深い.もちろん,氏の朝日新聞入社後の著作もすばらしい.
オルレアンのうわさ―女性誘拐のうわさとその神話作用』は,1969年に突如広まった女性誘拐の噂について,調査した社会学者の報告書であるそうだ.集団妄想が膨らみ,やがて噂はひっそり消えていく.
開沼博氏の『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』は,「オルレアンのうわさ」以来の衝撃であったと氏は語る.

 私たちは、なぜ原発を、「なかったこと」のようにして、議論のアリーナから退場させてしまたのか。無意識化という「神話作用」の根源にまで遡って、この問題を考え抜く必要があるのだと思います。

【関連読書日誌】
“今回の大災害は、これまで通用してきたほとんどの言説を無力化させた。それだけではない。そうした言葉を弄して世の中を煽ったり誑かしたりしてきた連中の本性を暴露させた。” 『津波と原発』 佐野眞一 講談社
【読んだきっかけ】
【一緒に手に取る本】

オルレアンのうわさ―女性誘拐のうわさとその神話作用

オルレアンのうわさ―女性誘拐のうわさとその神話作用

「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか

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