“しかし、いかに異なる他者と討議することができるのだろうか。意見と意見の交換から排除されている人はいないだろうか、それぞれの意見はきちんと聴かれているのだろうか” 『「科学技術と社会の相互作用」についてのおすすめ本』 「科学技術と社会の相互作用」 第4回シンポジウム(2011年5月29日)配付資料(1/6)

『「科学技術と社会の相互作用」についてのおすすめ本』 「科学技術と社会の相互作用」 第4回シンポジウム(2011年5月29日)配付資料に掲載されている書物のうち,全6頁の中の1頁目.「科学技術と社会の相互作用」という研究プロジェクトは,社会技術研究開発センター(RISTEX)が主催している活動の一つ.

  1. 「科学技術」と社会が相互作用するための礎を考える本
  2. 「科学技術」を社会とのつながりで考える本
  3. 「科学技術」と人をとり巻く環境を考える本
  4. 「科学技術」の〈正確さ〉と「情報」のもつ〈あいまいさ〉を考える本
  5. 「科学技術」をめぐるコミュニケーションの本

の5部からなる.
【読んだきっかけ】
「科学技術と社会の相互作用」 第4回シンポジウム(2011年5月29日)に参加して
【一緒に手に取る本】

  1. 「科学技術」と社会が相互作用するための礎を考える本

「アジア半球」が世界を動かす

「アジア半球」が世界を動かす

世界システムの大転換の時代に、日本が、政治経済だけでなく教育、研究、気候変動、資源、感染症さらには科学技術と社会の問題について、国境を越えて積極的にグローバル展開を図るためには、個人、組織、国レベルで、時代と世界・アジアに対する認識を根底から築き直す必要がある。この本はそのために刺激的な視座を与えてくれるものと思う。[有本建男氏推薦]

政治と複数性―民主的な公共性にむけて

政治と複数性―民主的な公共性にむけて

百家争鳴、諸説紛々。そんな時、意見の異なる者同士の議論が大切であることは、誰もが認めるだろう。しかし、いかに異なる他者と討議することができるのだろうか。意見と意見の交換から排除されている人はいないだろうか、それぞれの意見はきちんと聴かれているのだろうか。[平川全機氏推薦]

誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる

誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる

  • 作者: フランシスウェスリー,ブレンダツィンマーマン,マイケルクインパットン,エリックヤング,東出顕子
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2008/08/18
  • メディア: 単行本
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HIV/AIDSとの草の根の闘い、いじめを防ぐ共感教育プログラム、貧困対策、障害者支援…・・等、社会起業家の具体的活動事例を紹介しながら、社会変革を導きだす様々な要因を体系的かつ理論的に分析・整理している点が興味深い。研究開発プロジェクトの成果の「社会実装」にも何かヒントを与えてくれそうな一冊である。[奥山紘史推薦]

その言い方が人を怒らせる―ことばの危機管理術 (ちくま新書)

その言い方が人を怒らせる―ことばの危機管理術 (ちくま新書)

この書を読んで、今までの不用意な発言を反省させられるとともに、わかりやすく表現が出来ればと自らに期待している。[小林税夫氏推薦]

ソーシャル・イノベーション―営利と非営利を超えて

ソーシャル・イノベーション―営利と非営利を超えて

都心養蜂や水の浄化などの具体的事例も盛り込まれているが、全体としては現代資本主義を革新する必要性を強く意識した本になっている。日本に関しては、「市民社会の王道の素質」がある一方で、宗教的な倫理が弱いこと、人材の流動性が低いことが指摘されており、グローバライゼーションの中での日本経済のあり方を考える上でも刺激に富んだ本である。[大守隆氏推薦]

これらの詳細のすべてが本書に記載されているわけではないので、読者は類書に視野を広げる必要があるが、社会一科学技術開発にかかわる思想の文化による違いとその影響を再考するに示唆的である。ゼロ戦グラマン問題の日米社会比較技術論については、『零戦一アメリカ人はどう見たか』(辻俊彦、2007、芸立出版)から詳しく知る材料が得られる。[大井学氏推薦]

【関連読書日誌】