“いつの時代も、てらいのないまっすぐな理想と抱えきれぬほどの自負、現状のまっこう否定は、若き後継者たちの特権なのである” 『君は隅田川に消えたのか 藤牧義夫と版画の虚実』 駒村吉重 講談社
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帯から
ミステリーは、
夜にはじまった
美術評論家・洲之内徹が絶賛した藤牧義夫
その消息はいまでも不明で、作品にはさらに大きな謎が残る
藤牧生誕百年、絵巻と版画に秘められた怪事を追う
いつの時代も、てらいのないまっすぐな理想と抱えきれぬほどの自負、現状のまっこう否定は、若き後継者たちの特権なのである。
宮澤賢治や高山樗牛、創作版画の先達だった山本鼎らが会員だったことはよく知られているが、とりわけ国柱会の名を知らしめたのは、帝国陸軍のエリート将校で、満州事変の青写真を描いて自らの実践の指揮をとった石原莞爾であろう。
紫綬褒章も受章した版画界の重鎮,小野忠重の藤牧義夫像に疑問を投げかけたのは,洲之内徹であった.
藤牧版画の発掘者であると同時に,『一寸』誌上で自らの調査,分析結果を公表した大谷芳久氏の発言.
「ひどいできだろう…。これだけは絶対に(美術館への納入を)阻止しなきゃならんかった。こんなもんが認められたら、あれもこれも、ぜんぶ藤牧版画になってしまうだろう。へんなもんでさ、こういうタイミングではかったように、あっちこっちから“新作”が見つかったりするんだ。そういう例が、いくつもあるのさ。そのうちには、贋作のほうがでかい顔をするようになっちゃうんだね。
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【読んだきっかけ】
書店にて
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