2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

“古戦場のようなコールセンターで働くうちに、いつの間にか自分の体にはたくさんの言葉の刃が突き刺さっていた。でも、その一本を抜くと、それは自分を傷つける凶器ではなく剣になった” 『督促OL 修行日記』 榎本まみ 文藝春秋

督促OL 修行日記作者: 榎本まみ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/09メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 83回この商品を含むブログ (38件) を見るごく普通の成績の冴えない大学生が,就職氷河期に信販会社に採用先を決めたものの,配属先がコールセン…

“そして当日のすべての演奏が終了し、大西さんがこれで現役生活に別れを告げ、新しい人生のフェイズに足を踏み入れようとしたまさにそのときに、この「おれは反対だ!」事件、が持ち上がったわけだ” 『「厚木からの長い道のり」 小澤征爾が大西順子と共演した『ラプソディー・イン・ブルー』』 村上春樹 考える人 2013年 11月号 新潮社

考える人 2013年 11月号 [雑誌]作者: 考える人出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/10/04メディア: 雑誌この商品を含むブログ (4件) を見る9月6日小澤征爾が振るサイトウキネンオーケストラとジャズピアニストの大西順子が共演した.小澤征爾の復帰公演でも…

“日本の“ふだんのおかず”は、 実は名前のつかないような もんばかり” 『土井善晴さんちの 名もないおかずの手帖』 土井善晴  講談社

土井善晴さんちの 名もないおかずの手帖 (講談社のお料理BOOK)作者: 土井善晴出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/03/09メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 12回この商品を含むブログ (3件) を見る料理研究家は数多いるけれど,料理本は山のように…

“ある一線を越えると事態が一変 するという、その見えない臨界を視る中井の「臨床眼」は、精神医療の現場だけでなく、それを潜り抜けて時代精神にまで向かう” 『精神への「圧力」、減圧の工夫』 (中井久夫著『「昭和」を送る』の書評) 鷲田清一 2013/08/04 朝日新聞

片付けものをしていて,鷲田清一氏が書いた書評が目に付いた.中井久夫著『「昭和」を送る』に対する書評である.中井久夫のエッセーの数々は,私にとっても大切な文章の一つ一つである.その書を鷲田清一氏が書評するのである.短い文章であるが,読みごた…

“現象は一元的ではない。多元的で複層的だ。複雑に絡み合っているからこそ、僅かな歯車の食い違いが大きな過ちへと転化して、なし崩し的に事態が進行する” 『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』 森達也 ダイヤモンド社

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機作者: 森達也出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/08/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (11件) を見る―――正…

“日本の精神医学を代表する功績を残したのは、精神分析学の土居健郎(たけお)さんと、個人と個人の「あいだ」の概念で日本人を分析した精神病理学の木村さんだと思います” 『(人生の贈りもの)精神科医・中井久夫』 朝日新聞 2013.9.10-10.4

朝日新聞夕刊 Be欄の連載,人生の贈り物,2013.9.10-10.4は,中井久夫氏へのインタビューだった. 79歳になる中井氏の人生の軌跡を尋ねる短いインタビューだが,論文の要旨にようにうまくまとまっていて,読みごたえ有り. 5回の連載タイトルは, 1 時代…