古典芸能

“人が人を本当に好きになるということは、こんなにもその人生に深く根をおろすものなのか” 『中村勘三郎の「告白」 関容子 文藝春秋 2013年 02月号

文藝春秋 2013年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/01/10メディア: 雑誌 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る「太地喜和子との本物の恋」と副題のある,ノンフィクション作家関容子による文章. 師走に急逝した第十八代中村…

“こうした公界に生きる人たちは、あらゆる分野と階層のなかで、表面的には武家政権に逆らうことなく平和に活動しながら、禁裏御用を務める自由民であったのだ” 『口伝解禁 近松門左衛門の真実』 近松洋男 中央公論新社

口伝解禁 近松門左衛門の真実作者: 近松洋男出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログを見る帯びに「三百年の禁を破って,九代目が明かす,近松家の謎」と,やや扇動的な文言があって,ち…

“なぜそのような複雑さを帯び、なぜわかりづらいのかを知ることによって、「そういうものなのだ」という、おそらく江戸期の庶民が皆抱いていたであろう納得は、我々の中にも深く落ちていく” 『浄瑠璃、大阪、新地の女』 私の読書日記 酒井順子 週刊文春 2012年9月20日号

週刊文春 2012年9月20日号発売日: 2012メディア: ? クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る この私の読書日記は,酒井順子,鹿島茂,立花隆,池澤夏樹,山崎努による連載である.格好の人を得て,毎週楽しみにしているのだが,特に,酒井順子の会は…

“だから、一時間半ほどの長さのものが、意味を抜きにして「音」で体の中に入っている。その音が甦るたびに「ああ、こういう意味か」という再生が起こり、「なんでそうなるの?」という疑問も生まれる” 『義太夫節が体に入ってしまったので』 橋本治 波 2012年 08月号 新潮社

波 2012年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/07/27メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る橋本治の『浄瑠璃を読もう』がついに本になった.少しずつゆっくり読もうと大切にしているのだが,これは,その著者本人による小文.文楽…

“一国の文化の水準は「長く愛され続けるもの」をどれだけ大切にするかで決まるものだ” 『吉田秀和さんの言葉 (三毛猫ホームズの遠眼鏡 2)』赤川次郎 「図書」2012年8月号 岩波書店

図書 2012年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/07/28メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る岩波書店「図書」の赤川次郎氏連載,三毛猫ホームズの遠眼鏡より.今月のタイトルは「吉田秀和さんの言葉」.98歳で亡くなった音楽評…

“性の世界は、同じ心理的な磁場にいる人々にとっては「生きる喜びの表れ」だが、その磁場から一歩離れたところに立つ者からは、下品で、レベルの低い人間の所行とされがちなのである” 『盆踊り 乱交の民俗学』 下川耿史 作品社

盆踊り 乱交の民俗学作者: 下川耿史出版社/メーカー: 作品社発売日: 2011/08/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (4件) を見る本屋さんで,帯を見てびびってはいけない. 帯表より 〈盆踊り〉とは、 生娘も人妻も乱舞する “乱…

“我が国においてエロスの問題、つまり色恋沙汰は、詩的関心事ではあっても、長らく宗教的な関心事ではなかった” 『神奈川芸術劇場 「杉本文楽 曾根崎心中」 上演台本+解説』 杉本博司,近松門左衛門,神津武男 公益財団法人小田原文化財団発行

現代美術作家,杉本博司の構成・演出・美術・映像による文楽の舞台を観た(2011年8月16日昼の部). もともと3月に予定されていたものが震災で中止となっていたものである. 演題は 杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻りすぎもとぶんらく でくのぼう…