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“彼らの言葉と論理に拠って市民は科学を語ることができるのだろうか。一見異なる文脈にあるスピヴァクの論考は、科学と社会の相互作用、特に科学を巡る「語り」の権力構造を考える上でも示唆的である” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (3/4)

『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム(2009年4月25日)配付資料 
に掲載されている書物のうち,全4頁の中の3頁目.「科学技術と社会の相互作用」という研究プロジェクトは,社会技術研究開発センター(RISTEX)が主催している活動の一つ.

【関連読書日誌】
“科学技術が社会に深く組み込まれるようになった現在,科学が不確実な知識しか生み出せず,しかも価値観が関与し,社会的意思決定が求められるような事例が増えている” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (1/4)
“科学技術についても、社会保障など他の社会政策と同様に、意思決定に参加し、影響力を行使するための権利の保障/責任といった「市民権(シティズンシップ)」が求められている” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (2/4)
【読んだきっかけ】
「科学技術と社会の相互作用」 第4回シンポジウム(2011年5月29日)に参加して
【一緒に手に取る本】

未来の私たち―21世紀の科学技術が人の思考と感覚に及ぼす影響

未来の私たち―21世紀の科学技術が人の思考と感覚に及ぼす影響

  • 作者: スーザングリーンフィールド,Susan Greenfield,伊藤泰男
  • 出版社/メーカー: NPO科学技術社会研究所
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 単行本
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鈴木達治郎氏推薦:科学技術が進歩したとき、私たちの生活に何が起きるか?神経生理学の専門である著者が、情報、バイオ、ナノテクノロジーの融合技術を対象に、その社会への影響を幅広くかつわかりやすく書いた好著である。

生態系サービスと人類の将来―国連ミレニアムエコシステム評価

生態系サービスと人類の将来―国連ミレニアムエコシステム評価

佐藤哲氏推薦:世界の第一線研究者が参加した、初めての全地球規模での生態系サービスの現状と未来に関する総合評価報告書『Ecosystems And Human Well-Being:Synthesis』の翻訳書である。生態系サービスの保全と人類の福利の向上に資することを目指して膨大な研究成果を評価したもの。詳細な専門的記述に加えて「意思決定者のための要約」を整えて、ユーザーが活用しやすい知識生産を試みた点が特筆に値する。

低炭素社会のビジョンと課題―エネルギー・環境・ネットワークの結節点を探る

低炭素社会のビジョンと課題―エネルギー・環境・ネットワークの結節点を探る

柳下正治氏推薦:本書は、国立環境研究所・京都大学を中心として60名にも及ぶ研究チームが、英知を結集して、バックキャスティングの道筋選択でCO2大幅削減はなせばなるのではないかとの考え方に基づいて、20世紀型エネルギー技術社会からの大転換と低炭素社会への切り替えのシナリオを提案している。

植物力 人類を救うバイオテクノロジー

植物力 人類を救うバイオテクノロジー

永野正朗氏推薦:本書は、21世紀の人類社会が直面するであろう人口、エネルギー、食糧、水、環境問題をまとめて「2050年問題」と提起し、この状況を打破し資源循環型社会を構築するためには、遺伝子組み換え技術や植物バイオ燃料技術といった植物バイオテクノロジーの発展とこれに対する社会の理解が必要不可欠であると論じている。

サバルタンは語ることができるか (みすずライブラリー)

サバルタンは語ることができるか (みすずライブラリー)

標葉隆馬氏推薦:権力を巡る構造と言説の中で、被従属的地位にある「サバルタン」(女性、労働者、etc)が自らの言葉と論理を持って「語る」ことの困難さを、スピヴァクは「サバルタンは語ることができるか」の問いかけと共に提示する。今、科学コミュニケーションの文脈においてサバルタンを「市民」と読み替えたとき、そこには権力者である専門家とサバルタンである市民の間の関係性、権力構造、そして支配的言説の形式に関する問題が見えてくる。果たして、彼らの言葉と論理に拠って市民は科学を語ることができるのだろうか。一見異なる文脈にあるスピヴァクの論考は、科学と社会の相互作用、特に科学を巡る「語り」の権力構造を考える上でも示唆的である。

サバルタン(subaltern)という言葉を初めて知る.グラムシの『獄中ノート』に由来する言葉で,「従属民」「下層民」にような意味であるらしい.上記標葉氏の推薦文は全文.「語り」の権力構造に注目したい.

近代医学のあけぼの―外科医の世紀

近代医学のあけぼの―外科医の世紀

行岡哲男氏推薦:19世紀に感染対策や全身麻酔が開発され、外科手術を学問と言う枠組みで捉えることが可能になった。本書は一般読者向けにドキュメンタリータッチで展開するこの時代の外科医達の物語である。

韓国ドラマ「チャングムの誓い」で,医女チャングムが,針を使った麻酔で外科手術を試みようとした場面を思いだす.
代替医療のトリックでは,針治療はまやかしという扱いなのだが.

世界の心臓を救った町―フラミンガム研究の55年 (ライフサイエンス選書)

世界の心臓を救った町―フラミンガム研究の55年 (ライフサイエンス選書)

明石圭子氏推薦:フラミンガム研究は、現在、医療従事者なら誰もが知っている循環器疾患のリスクファクターが脂質異常、高血圧、喫煙等であることを初めて明らかにした疫学研究である。医療ライターによって書かれているため、単なる経過説明だけでなく、研究に参加されるフラミンガムの町の人々の思いや研究者の思い、社会的な波及効果にも触れられていることも特徴で、疫学研究が私たちにどのように影響を及ぼすのかについて理解できる。

これは知りませんでした.

日本低炭素社会のシナリオ―二酸化炭素70%削減の道筋

日本低炭素社会のシナリオ―二酸化炭素70%削減の道筋

小林悦夫氏推薦:洞爺湖サミット等で話題となった「2050年70%削減」という、温室効果ガス削減計画について、具体的なシナリオを、(独)国立環境研究所の西岡秀三氏が中心となり、6G人の専門家が参加してまとめた貴重な書である。

地球温暖化は本当か,炭酸ガスの削減は本当に必要か,そもそもそのこと自体にさまざまな言説があり,おそらく,多くの一般人は,確固たる見解を持つことができないでいるだろう.