“「社会のための科学技術」という時、どういう意味で「社会のため」になるのかが問われると同時に、その「社会」とはいかなる社会のことを意味するのかが問われるのではないだろうか” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (4/4)
『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム(2009年4月25日)配付資料
に掲載されている書物のうち,全4頁の中の4頁目.「科学技術と社会の相互作用」という研究プロジェクトは,社会技術研究開発センター(RISTEX)が主催している活動の一つ.
【関連読書日誌】
“科学技術が社会に深く組み込まれるようになった現在,科学が不確実な知識しか生み出せず,しかも価値観が関与し,社会的意思決定が求められるような事例が増えている” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (1/4)
“科学技術についても、社会保障など他の社会政策と同様に、意思決定に参加し、影響力を行使するための権利の保障/責任といった「市民権(シティズンシップ)」が求められている” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (2/4)
“彼らの言葉と論理に拠って市民は科学を語ることができるのだろうか。一見異なる文脈にあるスピヴァクの論考は、科学と社会の相互作用、特に科学を巡る「語り」の権力構造を考える上でも示唆的である” 『みんなが選ぶ1冊』 「科学技術と社会の相互作用」 第2回シンポジウム配付資料 (3/4)
【読んだきっかけ】
「科学技術と社会の相互作用」 第4回シンポジウム(2011年5月29日)に参加して
【一緒に手に取る本】
水産学シリーズ157 森川海のつながりと河口・沿岸域の生物生産
- 作者: 日本水産学会,山下洋,田中克
- 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣
- 発売日: 2008/03/17
- メディア: 単行本
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柳哲雄氏推薦:森川海の生態系の研究はそれぞれ異なった学会に属する研究者群により行われていて、その有機的なつながりが明らかにされることはなかった。本書は水産学者が里や森の生態系学者を巻き込んで、森川海の物質循環、その沿岸海域生態系への影響を明らかにしようと試みた第1歩の成果報告書である。
- 作者: ハンスヨナス,Hans Jonas,加藤尚武
- 出版社/メーカー: 東信堂
- 発売日: 2010/11
- メディア: 単行本
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有本建男氏推薦:(2008年10月、第5回STSフォーラムにおいて)ドイツのシャバン教育科学大臣は、哲学者ヨナスを引用しながら、今後の科学技術政策の根幹に次世代への責任倫理を置くべきとの格調高い演説を行った。ヨナスの主張は、不透明と不信の時代にあって、われわれの思考と行動に強い視座と勇気を与えてくれる。彼の影響を抜きにして、今後の科学技術と社会は語れない。
- 作者: 藤垣裕子
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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奥山紘史氏推薦:日本の具体的な事例を扱う中で「科学技術と社会」との接点で生じる問題の分析手法の習得を目指した貴重な書籍である。
- 作者: 佐藤文隆
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/04/05
- メディア: 単行本
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小林傳司氏推薦:「役に立つ」研究とはとてもいえない分野に携わっていたがゆえに、科学の役割を安易に弁証せず、さりとて、人類固有の「知的好奇心」に単純にもたれかかることもしていない。全編、刺激に満ちた叙述が続くが、とりわけ「ある架空の物語2が面白い。科学と社会の関わりを三つの近未来的な物語で描き出し、専門家には自明な科学が歴史的には新しい「実験中の」社会制度であり、現状は一つの可能性にすぎないことを示唆している。
『知っておきたいNPOのこと【増補版】』(2004年)
『知っておきたいNPOのこと2〈資金編〉』(2006年)
『知っておきたいNPOのこと3〈協働編〉』(2008年)
すべて,編集・発行:日本NPOセンター
萩原なつ子氏推薦:1は,NPOの基礎的な内容と、公益法人制度改革がわかりやすく解説されている。2は,市民活動の「資金」をテーマに、NPOが目的に沿った自立的な活動を進めるための資金のあり方が解説されている。3は,NPOのスタッフと行政職員が共同でつくった、NPOと行政の「協働」のための8つの姿勢がまとめられている。
- 作者: ロバート・N.プロクター,Robert N. Proctor,宮崎尊
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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柿原泰氏推薦:ナチス・ドイツの医学について、ユダヤ人虐殺への協力や強制収容所における人体実験、安楽死や断種手術などのしばしば糾弾の対象となる側面ではなく、がん研究の推進をはじめ、たばこの規制・禁煙運動、有機農法の推奨などによる食品安全の追求など食生活改善運動などを進めた医学・保健政策を描いている。両者は矛盾したものとしてあったわけではなく、一言でいえば、ナチス社会は「健康を義務とする社会」として捉えられるのである。「社会のための科学技術」という時、どういう意味で「社会のため」になるのかが問われると同時に、その「社会」とはいかなる社会のことを意味するのかが問われるのではないだろうか。
- 作者: 科学技術振興機構社会技術研究開発センター
- 出版社/メーカー: 丸善プラネット
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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