“これからの本が「どうなる」ではなく,「どうする」という意思がなければ,本の世界は何も変わらないだろう.” 『本は、これから (岩波新書) 』 池澤夏樹編 岩波書店

- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/11/20
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 152回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
みんな「本」を愛している!
37人が思いを馳せる,書物と人間の未来形
とあります.そういう本です.電子書籍元年を意識した本.
この中で,特に魅力的だったのは,以下です.
- 最相葉月 『永遠の時を刻む生きた証』:角田房子の本を巡る最相氏自身の本と人との出会い.その物語自体が魅力的.だから本は止められない.角田房子は2010年95歳で亡くなったノンフィクション作家.何冊かを,図書館へ予約した.『わが祖国―禹博士の運命の種 (新潮文庫)』,『ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)』,『碧素・日本ペニシリン物語 (1978年)』はすぐにでも読んでみたい.『閔妃(ミンビ)暗殺―朝鮮王朝末期の国母 (新潮文庫)』は,『現代を読む―100冊のノンフィクション (岩波新書)』の1冊でもあり,読んだことがある.
- 菊池成孔 『半呪物としての本から,呪物としての本へ』:『人生という作品』(三浦雅士 NTT出版)を読んだので,白川静が明らかにした,文字の成り立ちと呪術との関係に思いがいたった.
- 出久根達郎 『「追放本」てんまつ』:読んでのお楽しみ.
- 外岡秀俊 『三度目の情報革命と本』:「三度目の情報革命」という表現はありふれたものだと思うが,引かれている書物群が魅力的にみえた.『イタリア・ルネサンスの文化〈1〉 (中公クラシックス) ブルクハルト』,『中世の秋〈1〉 (中公クラシックス) ホイジンガ』,『デジタル社会はなぜ生きにくいか (岩波新書) 徳田雄洋』,「複製技術時代の芸術作品」(『ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫)』)(こういうのもあるみたいです.『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫) 多木浩二』)
電子化を奇貨として,日本の書籍を何らかの程度に国際商品へと衣替えしようという出版人や著作者は現れないものか.考えてみれば,まさに電子書籍こそ日本文化を発信し,日本の書籍の魅力や優秀性を売り込むための願ってもない武器であるはずだ.(中略)世界につながらない電子化なんて,逆説としても通用しない.これからの本が「どうなる」ではなく,「どうする」という意思がなければ,本の世界は何も変わらないだろう.
- 松岡正剛 『読前・読中・読後』:「ブックウェア」
【読んだきっかけ】書店にて
【一緒に手に取る本】読んだことのある本の中から敢えて次の1冊を.単行本は2001年刊(プレジデント社)

- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (59件) を見る