映画・演劇

“演劇は、人類が生み出した世界で一番面白い遊びだ。きっと、この遊びの中から、新しい日本人が生まれてくる” 『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書) 』 平田オリザ 講談社

わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)作者: 平田オリザ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/12/17メディア: Kindle版購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見るコミュニケーションを扱った書物は、山…

“死刑制度が拘置所職員、教誨師など刑を執行する側の人々の心 に深い傷を与えていることが静かに伝わつてくる” 『読まずにはいられない 死刑制度が与える 深い傷を淡々と』 book 041 佐藤優 AERA (アエラ) 2014年 3/10号 朝日新聞出版

AERA (アエラ) 2014年 3/10号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/03/03メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見るAERAに、佐藤優氏による『教誨師』(堀川惠子著)の書評が掲載された。 少しでも長く生きたいという死刑囚の本能と、機…

“これは高野さんが続けてきたエキプ・ド・シネマへの信頼感がもたらした結果だったと思う” 『高野悦子さんを悼む  映画作家の心届けた人』 羽田澄子 朝日新聞 2013年2月19日

岩波ホール総支配人の高野悦子さんが亡くなった.氏の,『母 老いに負けなかった人生 (岩波現代文庫)』を読んだばかりだったと言うこともあるが,何より,岩波ホールの映画に精神形成の幾ばくかを負っていると自覚するものにとって,感慨深いものがある.『…

“私が介護の原則は「説得より納得」ということに気がつき、母の希望にそった、母中心の介護に変えたとたん、母はみるみる回復した。母の痴呆は介護に対する不満、私に対する最大の抗議だった” 『母 老いに負けなかった人生 (岩波現代文庫)』  高野悦子 岩波書店

母 老いに負けなかった人生 (岩波現代文庫)作者: 高野悦子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/01/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る岩波ホールの映画は学生の時にかなり見た.最初がエルマンノ・オルミの「木靴の樹」.田舎からでてき…

“よくできたかどうか分からないけれど、かあさん、ぼくはひとリの人間になった。行って、そして生きてきた。あなたに祝福がありますように” 『約束の旅路 (集英社文庫) 』 ラデュ・ミヘイレアニュ, アラン・デュグラン, 小梁吉章訳 集英社

約束の旅路 (集英社文庫)作者: ラデュミヘイレアニュ,アランデュグラン,Radu Mihaileanu,Alain Dugrand,小梁吉章出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/02メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る古く東欧に流れたアシュケナージ,149…

“商業演劇と小劇場を行き来しようとして批判される理由もわからなかった。人とは少し違う場所から“演劇”を見通していただけなのに” 『蜷川幸雄 人生に乾杯 26』 中村千晶 週刊朝日 2012年9月21日号

週刊朝日 2012年9月21日号作者: 週刊朝日発売日: 2012メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る週刊朝日のインタビューシリーズ,今回は蜷川幸雄.蜷川の名前を知ったのは,英国で好評を博して,まさに世界の蜷川になった頃,1…

“「家族」というものはやっかいで、百の家族があれば百の文化が あり、内部での人間関係も多様であるため、リアリティの在り方や受け止め方 も千差万別になります” 『荒野1/7』 高木登 鵺的第五回公演パンフレット  

高木登が主催する鵺的という演劇集団の第五回公演,『荒野1/7』のパンフレット.したがって市販品ではない.鵺的については,こちらのHP 知人の一言「必見」に誘われて,意を決して遠路観に行く.大収穫.当日券,キャンセル待ち券の入手方法を尋ねるため…

“瞬発力と集中力と持続力を身につけて、知性と品性と感性を磨く。磨いて、磨いて、磨きつづける。あるとき、ふっと深い霧が晴れるように、何かが少しだけ見えてくる” 『私 デザイン』 石岡瑛子 講談社

私 デザイン作者: 石岡瑛子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/08/31メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 260回この商品を含むブログ (24件) を見るアートディレクタの石岡瑛子さんが亡くなった.彼女もまた膵癌だと言う.海外に拠点をおいて活躍している…

“あのときの中曽根元首相のスピーチはほんとうに素敵だった” 『30年の物語  (講談社文庫) 』 岸恵子 講談社

30年の物語 (講談社文庫)作者: 岸恵子,町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/07/15メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 99回この商品を含むブログ (12件) を見る 岸惠子の文章を読むたびに深い感動を得る.この人は女優であるが,すばらしい名文家であ…

“なぜ“をどり”なのか、なぜ創作なのか、なぜそうあらねばならないのか、このような仕事(芸術)には常に自身の影のようにつきまとう問いである” 『怪男児 麿赤兒がゆく 憂き世 戯れて候ふ』 麿赤兒 朝日新聞出版

怪男児 麿赤兒がゆく 憂き世 戯れて候ふ作者: 麿赤兒出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2011/10/07メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログを見る麿赤兒(まろあかじ、1943年2月23日 - )は、奈良県桜井市生の俳優、舞踏家、演出家。 早稲…

“演技術とは、説得と感動の技術である。演技術は、思想を持った技術である” 『演劇論入門―賢く生きるための方法論序説』 鴻上尚史 in 『私家版 第三舞台』 サードステージ 白水社

私家版 第三舞台作者: サードステージ出版社/メーカー: 白水社発売日: 1996/08メディア: 大型本 クリック: 14回この商品を含むブログ (4件) を見るピンポイントという出版社から1992年に一度出ているらしい. 日本では、いまだに、演妓術というものが確立し…

“生きていくことは、 後悔と溜め息を重ねていくこと。 それでも、生きていくことを、 自分からは辞めてはいけない。” 『深呼吸する惑星』 鴻上尚史 第三舞台 封印解除&解散公演パンフレット

http://www.daisanbutai.com/top.html 第三舞台が10年の封印を解いて公演を行うと同時に,これで幕を降ろすらしい. 脚本も,役者も,演出も,そして観客も,みんな手慣れた感じで,気持ちよく観られた. 第三舞台を観るのを初めてだったが,歯切れのよいせ…

“僕は寺山の後継だと言えるのは、園子温一人だと思っています” 『自由になりたければ、不自由になれ』 宮台真司 in 『寺山修司の時代 (文藝別冊) (KAWADE夢ムック 文藝別冊)』 河出書房新社

寺山修司の時代 (文藝別冊) (KAWADE夢ムック 文藝別冊)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/09/16メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る寺山修司ものは,かなり持っていて,かなり読んでいる.存命の頃か…

“その人は、ステージのかぶりつきまで押し出してきて、人一倍大きな手拍子を打ち、踊る役者たちに向って、「イヨッ、日本一!」「待ってマシタ!」等の掛け声をだれ揮ることなく浴びせかけている。「ここにもひとり、本当にテレビドラマを愛している人がいるのだ」と、そう思うよりほかに僕には理解の仕様がなかった。” 『淋しいのはお前だけじゃない』 市川森一 大和書房

淋しいのはお前だけじゃない作者: 市川森一出版社/メーカー: 大和書房発売日: 1988/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る淋しいのはお前だけじゃない (1982年) (シナリオライブラリー―市川森一シリーズ〈1〉)作者: 市川森一出版社/メーカー: 三草社…

“わたしの映画は、「仕込み」のない、できごとの記録に基づいたナラティヴの構築物だと言える” 『全貌フレデリック・ワイズマン――アメリカ合衆国を記録する』 編:土本典昭, 鈴木一誌  岩波書店

全貌フレデリック・ワイズマン――アメリカ合衆国を記録する作者: 土本典昭,鈴木一誌出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/08/25メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見るアメリカのドキュメンタリー映画監督,フレデリック・ワイ…

“ダイモーンに対して取りうる最上の態度とは、それを避けることではなく、その声を耳を澄ませて聴き、そのいわんとするところを理解することだ。悲劇とは、自分のダイモーンを自覚できなかった者たちの敗北の物語にすぎない” 『再会と別離』 四方田犬彦, 石井睦美 新潮社

再会と別離作者: 四方田犬彦,石井睦美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る50を越えた人間二人が,再会し,自身の別離と,そして再開を語る.齢50を越えた人だけが語ることので…

“政府での仕事は大儲けできるものではないが、私はCIAで働いた日々の1日たりとも、『フォーチュン』誌の〈働きたい会社ベスト500〉の“最高経営責任者(CEO)”と交換したいと思わない” 『フェア・ゲーム』 ヴァレリー・プレイム・ウィルソン, 高山祥子訳  ブックマン社

フェア・ゲーム作者: ヴァレリー・プレイム・ウィルソン,高山 祥子出版社/メーカー: ブックマン社発売日: 2011/10/29メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 391回この商品を含むブログ (6件) を見る普通に,つまり何気なく,新聞を読んだり,…

“我が国においてエロスの問題、つまり色恋沙汰は、詩的関心事ではあっても、長らく宗教的な関心事ではなかった” 『神奈川芸術劇場 「杉本文楽 曾根崎心中」 上演台本+解説』 杉本博司,近松門左衛門,神津武男 公益財団法人小田原文化財団発行

現代美術作家,杉本博司の構成・演出・美術・映像による文楽の舞台を観た(2011年8月16日昼の部). もともと3月に予定されていたものが震災で中止となっていたものである. 演題は 杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻りすぎもとぶんらく でくのぼう…

“特に演劇の中継録画の番組がなくなったのは問題で、小劇場での演劇は、NHKの放映がなければ東京以外ではまず見ることができない。演劇文化にとっては大きなマイナスである” 『中身も重要、ハイビジョン』 (三毛猫ホームズと芸術三昧!) 赤川次郎 2011/07/15, 朝日新聞

『中身も重要、ハイビジョン』 赤川次郎 2011/07/15, 朝日新聞 BS放送の改編によって,演劇番組ななくなってしまったことは本当に残念.演劇文化に対する評価が,欧米に比べて日本はなぜこんなにも低いのか.映画,音楽,絵画などに比して,何よりも1回性の…

“男にも女にもいろんな生き方があり、いろんな幸せがあるのだということが、この国の常識になるのはいったいいつの日だろう” 『如月小春は広場だった―六〇人が語る如月小春 』 『如月小春は広場だった』編集委員会(西堂行人+外岡尚美+渡辺弘+楫屋一之) 新宿書房

如月小春は広場だった―六〇人が語る如月小春作者: 『如月小春は広場だった』編集委員会出版社/メーカー: 新宿書房発売日: 2001/12メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る2000年12月に急逝した,劇作家,演出家の如月小春さんの追…

“時代の断片を感性で見つけ出してそれを拡大したり深く入り込んだりしながらメッセージを発信していかなくてはなるまい” 『滅びのチター師―「第三の男」とアントン・カラス  (文春文庫) 』 軍司貞則 文藝春秋

滅びのチター師―「第三の男」とアントン・カラス (文春文庫)作者: 軍司貞則出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1995/12メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見るグレアム・グリーン原作,キャロル・リード脚本,監督による映画,「第三…

“幸せだった思い出を語るのが,いちばんうれしいことではないか” 『いまも、君を想う』  川本三郎 新潮社

いまも、君を想う作者: 川本三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/05メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 35回この商品を含むブログ (12件) を見る川本三郎氏の映画評は,新聞,雑誌,映画のパンフレットなどでよく目にしたものです.冷静な落ち着いた…

“恋が言わせる付けことば”  『赤川次郎の文楽入門―人形は口ほどにものを言い』 赤川次郎 小学館文庫

赤川次郎の文楽入門―人形は口ほどにものを言い (小学館文庫)作者: 赤川次郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (17件) を見る文楽にはまる,ということがあるらしい.かくいう私もその一人…

“古い病気に新しい治療法が見つかる.すばらしい.でも,無慈悲で,残酷な世界でもある.”  『わたしを離さないで  (ハヤカワepi文庫) 』 カズオ・イシグロ  土屋政雄 訳 早川書房

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/08/22メディア: 文庫購入: 32人 クリック: 197回この商品を含むブログ (312件) を見る(原題:Never let me go) 2011.4.17追記 【NHK ETV特集…

『つか版 誰がために鐘は鳴る』 つかこうへい 主婦と生活社

つか版 誰がために鐘は鳴る作者: つかこうへい出版社/メーカー: 主婦と生活社発売日: 2006/03メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (14件) を見るこの本は,なんと,『冬のソナタ』のつか流解説本みたいな,ふしぎな本である.注目したいのは…

“人が人のことをいとおしく思い合う力があれば,世界中にそんな男女が一組でも残っていれば,絶対に核のボタンを押さないんじゃないか”  『つかこうへい (文藝別冊)』 河出書房新社

つかこうへい (文藝別冊)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/01/21メディア: ムック購入: 9人 クリック: 112回この商品を含むブログ (7件) を見る(2011.7.9追記) 3月に放映されたNHKの『つかこうへい よみがえる伝説の舞台』が今日再放送された(…

この地上の世界って,あんまりすばらしすぎて,だれからも理解してもらえないのね  『ソーントン・ワイルダー わが町 (ハヤカワ演劇文庫) 』 ソーントン・ワイルダー 鳴海四郎訳

ソーントン・ワイルダー〈1〉わが町 (ハヤカワ演劇文庫)作者: ソーントンワイルダー,Thornton Wilder,鳴海四郎出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/24メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 44回この商品を含むブログ (35件) を見る2011.4.3追記---- 3.11…

“『七人の侍』は、二一世紀の現在においてすら、いや現在においてこそアクチュアルなフィルムである” 『『七人の侍』と現代――黒澤明 再考』  四方田犬彦  (岩波新書)

『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/06/19メディア: 新書 クリック: 34回この商品を含むブログ (30件) を見る この本を読んで,早速,「七人の侍」のDVDを借りにTUTAYAへ行った. あとがきよ…