2011-01-01から1年間の記事一覧

“日本という国は貧しい国を助けようともしない自分勝手な国だと国際的に見られはじめるだろうことを、国民の多くは知らないという事実です” 『国際人のすすめ』 松浦晃一郎  静山社

国際人のすすめ作者: 松浦晃一郎出版社/メーカー: 静山社発売日: 2011/07/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る「世界に通用する日本人になるために」というのが副題. こうした主題の本は少なくないが,ユネスコの事務局長を10年務め,そ…

“たった一人でもいい、真剣に、本気で、自分を愛してくれる人がいれば、その人は救われる。それが父や母であればよいけれど、それが叶わないこともあるだろう。” 『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』 堀川惠子 日本評論社

死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの作者: 堀川惠子出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2009/11/24メディア: 単行本 クリック: 26回この商品を含むブログ (18件) を見る【読んだきっかけ】から先に述べておこう.2011年2月19日午後に,NHKのETV特集・選 『…

“日本の人々は生と死との冷厳な現実を、恐らくは西洋の人々以上に、底の底まで知っている” 『死よ驕るなかれ  (岩波新書 青版 (40)) 』 ジョン・ガンサー, 中野好夫, 矢川徳光訳 岩波書店

死よ驕るなかれ (岩波新書 青版 (40))作者: ジョン・ガンサー,中野好夫,矢川徳光出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1974/09/20メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見るジョン・ダンの詩で思いだし,引っ張り出してきた古い本. 著者のジョン・ガン…

“本は「根っこ」(思想)と「翼」(想像力)を与えてくれる。この二つは、外に内に橋をかける時の大きな助けである” 『日本人の美風  (新潮新書 436) 』 出久根達郎 新潮社

日本人の美風 (新潮新書)作者: 出久根達郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る出久根達郎氏による最新刊.いいですねぇ.こういう本大好きです.引き出しにしまっておきたい挿…

“最初の球状パールは一九〇七年に二人の日本人科学者によって作られたとされているが、最近の研究では、その技術も、おそらくは真珠そのものも、彼らより先にウィリアム・サヴィル=ケントが開発したものだろうと考えられている。” 『最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』 ケイト・サマースケイル, Kate Summerscale, 日暮雅通訳 早川書房

最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件作者: ケイト・サマースケイル,Kate Summerscale,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/05/20メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 23回この商品を含むブログ (35件) を見る(2011-9-2…

“探偵というものが生み出されたのは、ごく最近のことでだった” “ヴィクトリア朝時代の探偵は、俗世における予言者や聖職者の代役であった” 『最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』 ケイト・サマースケイル, Kate Summerscale, 日暮雅通訳 早川書房

最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件作者: ケイト・サマースケイル,Kate Summerscale,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/05/20メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 23回この商品を含むブログ (35件) を見る大収穫の一…

“今もなお部厚い悪評の層に覆われた笹川良一像の真の姿を掘り起こしてみたかった” 『悪名の棺―笹川良一伝』 工藤美代子 幻冬舎

悪名の棺―笹川良一伝作者: 工藤美代子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2010/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 72回この商品を含むブログ (29件) を見る毀誉褒貶の激しい人である.マスコミからもタブー視されていたという.だから手に取るのはちょっと…

“悲しみの谷では、翼を広げよう” 『死の海を泳いで―スーザン・ソンタグ最期の日々』 デイヴィッドリーフ, David Rieff, 上岡伸雄訳 岩波書店

死の海を泳いで―スーザン・ソンタグ最期の日々作者: デイヴィッドリーフ,David Rieff,上岡伸雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/03/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (17件) を見る 末期癌,骨髄異形成症候群(MDS)と…

“良心的な科学者ほど、このままでは地球がダメになるというはっきりしたデータがでるまで、絶対にそれを認めません。そして、彼らがもうダメだと認めたときには、すでに手遅れの時なのです。” 『しあわせ節電』 鈴木孝夫 文藝春秋

しあわせ節電作者: 鈴木孝夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/06メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る鈴木孝夫氏は,著名な,社会言語学の先生であり,私も若い頃から,氏による啓蒙書の何冊かに親しんできた.慶応の先生…

“まじめな人がバカをみない日本であってほしいのだ” 『世界で損ばかりしている日本人  (ディスカヴァー携書) 』 関本のりえ ディスカヴァー・トゥエンティワン

世界で損ばかりしている日本人 (ディスカヴァー携書)作者: 関本のりえ出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2011/05/21メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る若者の国際化離れ(学問の世界でさえ!)が言われる…

“会ってみると みな優しかった 話してみると みな常識を持つ者たちだった 優しく 常識的な人間でさえ 狂気に触れる瞬間がある” 『この大地に命与えられし者たちへ』 桃井和馬 清流出版

この大地に命与えられし者たちへ作者: 桃井和馬出版社/メーカー: 清流出版発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る写真家桃井和馬氏による『この大地に命与えられし者たちへ』と題する写真集.題材は,自…

“我が国においてエロスの問題、つまり色恋沙汰は、詩的関心事ではあっても、長らく宗教的な関心事ではなかった” 『神奈川芸術劇場 「杉本文楽 曾根崎心中」 上演台本+解説』 杉本博司,近松門左衛門,神津武男 公益財団法人小田原文化財団発行

現代美術作家,杉本博司の構成・演出・美術・映像による文楽の舞台を観た(2011年8月16日昼の部). もともと3月に予定されていたものが震災で中止となっていたものである. 演題は 杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻りすぎもとぶんらく でくのぼう…

“銃口の向きを変えるためには、おのれの肉体の消滅を賭けて、思想の変革を果たさなければならない” 『イタリア抵抗運動の遺書―1943・9・8‐1945・4・25  冨山房百科文庫 (36) 』 P・マルヴェッツィ, G・ピレッリ編 河島英昭 他訳 冨山房

イタリア抵抗運動の遺書―1943・9・8‐1945・4・25 冨山房百科文庫 (36)作者: P・マルヴェッツィ,G・ピレッリ,河島英昭出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1983/04/27メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る ファシズム政権に対抗するレ…

“過去五十年、欧米人と議論や口論になった場面で、私は負けたことがない” 『言葉でたたかう技術』 加藤 恭子 文藝春秋

言葉でたたかう技術作者: 加藤 恭子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/12/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 9人 クリック: 67回この商品を含むブログ (15件) を見る「過去五十年、欧米人と議論や口論になった場面で、私は負けたことがない。」…

“人生は哀しみとともに歩むものだが、決して悲嘆するようなことばかりではない” “ ただ私は一冊の、一行の言葉が、人間に何かを与え、時によっては、その人を救済することがあると信じている” 『なぎさホテル』 伊集院静 小学館

なぎさホテル作者: 伊集院静出版社/メーカー: 小学館発売日: 2011/07/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る伊集院静が,作家としての地位を確立する前の若い頃,7年間をすごしたという「なぎさホテル」,このホテ…

“夫婦とは、他人との生き方の共有。支え合う男女。それが「燻し銀」のような関係をつくり、深い喜びに結びつくのだ” 『妻と最期の十日間  (集英社新書)』 桃井和馬 集英社

妻と最期の十日間 (集英社新書)作者: 桃井和馬出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/12/17メディア: 新書購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (13件) を見る 突然くも膜下出血に倒れた妻が亡くなるまでの10日間の物語.だがしかし,介護記でもな…

“私たちは当たり前のように享受しているこの「戦後」を、二度と「戦前」に引き戻してはならない” 『日本の戦争 BC級戦犯 60年目の遺書』 田原総一朗監修 田中日淳編 堀川惠子聞き手 アスコム

日本の戦争 BC級戦犯 60年目の遺書作者: 田中日淳,田原総一朗出版社/メーカー: アスコム発売日: 2007/08/17メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (8件) を見る東京裁判とA級戦犯という言葉は知っていても,BC級戦犯について皆が…

“特に演劇の中継録画の番組がなくなったのは問題で、小劇場での演劇は、NHKの放映がなければ東京以外ではまず見ることができない。演劇文化にとっては大きなマイナスである” 『中身も重要、ハイビジョン』 (三毛猫ホームズと芸術三昧!) 赤川次郎 2011/07/15, 朝日新聞

『中身も重要、ハイビジョン』 赤川次郎 2011/07/15, 朝日新聞 BS放送の改編によって,演劇番組ななくなってしまったことは本当に残念.演劇文化に対する評価が,欧米に比べて日本はなぜこんなにも低いのか.映画,音楽,絵画などに比して,何よりも1回性の…

“ブルジョアの排撃,つまり、全体主義の時代風潮とは、そのようなかたちで、大衆の側からの「平等」への願いを含んでいる” 『きれいな風貌―西村伊作伝』 黒川創 新潮社

きれいな風貌―西村伊作伝作者: 黒川創出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/02メディア: 単行本 クリック: 29回この商品を含むブログ (11件) を見る 小説家の手によるものだけあって,端正できれいで優しい文章でつづられた,西村伊作の評伝である.「きれい…

“オイラーの水晶のように透明なラテン語は、西洋の学者たちがこの言語で書くのをやめたときに西洋文明が失ったものに気づかせてくれる” 『素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~』 John Derbyshire, 松浦俊輔訳 日経BP社

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~作者: John Derbyshire,松浦俊輔,ジョン・ダービーシャー出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2004/08/26メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 192回この商品を含むブログ (55件) を見る 何度読んでも,いつ読んで…

“嬉しいことに、『回転について』は誰にも読まれなかった本であるというケストラーの主張が完全に間違っていたことを、ここにご報告できる”  『誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険  (ハヤカワ・ノンフィクション) 』 オーウェン・ギンガリッチ 柴田裕之訳 早川書房

誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)作者: オーウェン・ギンガリッチ,柴田裕之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/09/22メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブ…

“科学(者)への信頼は,何が確実に言えて,何が言えないか,それを科学者自身が明確に述べるところに成り立つといえる。科学とは,まずなによりも《限界》の知であるはずである” 『見えないもの,そして見えているのにだれも見ていないもの』 鷲田清一 科学 2011年 07月号 岩波書店

科学 2011年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/06/28メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る岩波書店『科学』の2011年7月号は,特集「原発のなくし方」なのであるが,とりあえずそれはおいておいて、巻頭の科学時評,大阪大学…

“最後まで知性のクレイドルcradle(揺り籠)は疑いなんだ。疑いを全部切り捨てるような境地に行くのは、これはファナティシズム、狂信の境地でしょう” 『かくれ佛教』 鶴見俊輔  ダイヤモンド社

かくれ佛教作者: 鶴見 俊輔出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2010/12/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 30回この商品を含むブログ (7件) を見る 鶴見俊輔の書いたものを意識的に読み始めたのは比較的最近のことである.きっかけは,岩波書店の…

“何千もの幸運な偶然によって、あるいはお望みなら神の奇跡によってと言ってもいいが、とにかく生きて帰ったわたしたちは、みなそのことを知っている。わたしたちはためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかった、と” 『夜と霧 新版』 ヴィクトール・E・フランクル 池田香代子訳 みすず書房

夜と霧 新版作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11/06メディア: 単行本購入: 48人 クリック: 398回この商品を含むブログ (372件) を見るヴィクトール・E・フランクル,『夜と霧』の池田香代子の新訳によ…

“明るくてアナーキーで、呑気でナンセンスな、かわいらしいマンガを書いてみたいと思ったのだ” 『うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967-81』 佐々木マキ  太田出版

うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967-81作者: 佐々木マキ出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2011/06/23メディア: コミック購入: 7人 クリック: 63回この商品を含むブログ (19件) を見る佐々木マキ:1946年神戸生まれのマンガ家・イラストレーター・絵本作家…

“文学は、ある意味では勝利者の手によってつくられてゆく歴史への反逆である” 『マラーノの系譜  (みすずライブラリー) 』 小岸昭 みすず書房

マラーノの系譜 (みすずライブラリー)作者: 小岸昭出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1998/06メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る初刊1994年,手元にあるのが1998年の版だから,読んだのはずいぶん昔になる.私にとって.こ…

“「非行」というものは、人間のしでかす、わりと一般的な行為であるから、「非行」を考えるということは、つまり人間を考えるということである” 『「非行」は語る―家裁調査官の事例 (新潮選書)』 藤川洋子 新潮社

「非行」は語る―家裁調査官の事例ファイル (新潮選書)作者: 藤川洋子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/01メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る1951年生まれ,家庭裁判所の調査官を長く務めてきた人の著作.事例ファイルと副…

“欲しいものは最高のものを持ちなさい” 『ストラディヴァリウスの真実と嘘 至高のヴァイオリン競演CD付き』 中澤宗幸 世界文化社

ストラディヴァリウスの真実と嘘 至高のヴァイオリン競演CD付き作者: 中澤宗幸出版社/メーカー: 世界文化社発売日: 2011/05/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (2件) を見るヴァイオリンは私のとって謎の,得たいの知れない楽…

“こういう失敗を重ねつつもお酒がやめられないのは、やはり人との交流や会話が楽しいからでしょう” 『酔って記憶をなくします (新潮文庫)』  石原たきび編 新潮社

酔って記憶をなくします (新潮文庫)作者: 石原たきび出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/09/29メディア: 文庫 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見る酔って記憶をなくした人たちの体験集. アルコールに弱く,飲むと寝てしまう私には別世界の…

“男にも女にもいろんな生き方があり、いろんな幸せがあるのだということが、この国の常識になるのはいったいいつの日だろう” 『如月小春は広場だった―六〇人が語る如月小春 』 『如月小春は広場だった』編集委員会(西堂行人+外岡尚美+渡辺弘+楫屋一之) 新宿書房

如月小春は広場だった―六〇人が語る如月小春作者: 『如月小春は広場だった』編集委員会出版社/メーカー: 新宿書房発売日: 2001/12メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る2000年12月に急逝した,劇作家,演出家の如月小春さんの追…