2012-01-01から1年間の記事一覧

“多くの場合「強い相対主義」は単に思想的敗北のような気がします。区別のつかない領域があったとしても、はっきり区別できる両端はあるはずです” 「科学と科学ではないもの」 菊池誠 『もうダマされないための「科学」講義  (光文社新書) 』 SYNODOS編 光文社

もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)作者: 菊池誠,松永和紀,伊勢田哲治,平川秀幸,片瀬久美子,飯田泰之,SYNODOS出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/09/16メディア: 新書購入: 23人 クリック: 532回この商品を含むブログ (46件) を見る科学コミ…

“がんが「がんもどき」と「本物のがん」に分かれることが真実の高みにあると、誰の目にも明らかになるからです” 『 がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書)』 近藤誠 文藝春秋

がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書)作者: 近藤誠出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/04/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (6件) を見るがんを宣告されたとき,どこの病院を選択するか,どのような治療を選択…

“近藤さんの本は海外情報や面白おかしい話の羅列ではない。人間と国という大きなテーマを考えながら書いたものだから、彼が亡くなってからずっと支持されている” 『美しい昔 − 近藤紘一が愛したアジア」』 最終回「ゆんの父親」 野地秩嘉  SKYWARD 2012年 8月号 日本航空インタナショナル

JAL SKYWARD スカイワード 2011年 9月号 相葉雅紀作者: 日本航空インタナショナル発売日: 2011メディア: 雑誌この商品を含むブログを見るJALの機内広報誌(市販品).上記の写真は古いが,2012年8月号で発見. SKYWARDの連載「美しい昔 − 近藤紘一が愛したア…

“人間の歴史を振り返れば、ファシズムを産み育てるのはいつだって大衆の無知と無関心だ” 『政府は必ず嘘をつく  アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書』 堤未果 角川マガジンズ

政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書作者: 堤未果出版社/メーカー: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/02/10メディア: 新書購入: 8人 クリック: 113回この商品を含むブログ (37件)…

“遺言にあらわれているものは、すさまじいまでの孤独感である。枯寂といってもよいであろう” 【森鴎外 熱血と冷眼を併せ持って生死した人】『「一九〇五年」の彼ら』関川夏央 NHK出版

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る本書の第一章 森鴎外 熱血と冷眼を併せ持って生死…

“専門でない研究領域の人たちに,そして市民に,みずからも一個の研究者ではなく,同時に一人の市民でもある者として,どんなふうに語りかけてゆけばよいのか,とことん悩むこと。そのときの語りづらさというものを,研究者はこのあたりで,とことん経験すべきではないかとおもう” 『語りづらさの経験を』 鷲田清一 科学 2012年 04月号 岩波書店

科学 2012年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/03/30メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る2011年7月号の鷲田清一氏による巻頭言『見えないもの,そして見えているのにだれも見ていないもの』の続編とでも言えるもの.語ること,説く…

“しかし私は、「愛というイデオロギー」に殉じようとした高度な緊張感と、そのためにもたらされたアトリエ内部の「冷ややかな暗さ」を、智恵子変調の原因に加えたい誘惑にかられる” 【高村光太郎 日本への愛憎に揺れた大きな足の男】『 「一九〇五年」の彼ら』 関川夏央

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る本書の第七章 高村光太郎 日本への愛憎に揺れた大…

“彼女は偉大な妻であり、偉大な母であった。しかし、文学上の仕事は、『みだれ髪』刊行からこの〇五年までの五年間がピークであった” 【与謝野晶子 意志的明治女学生の行動と文学】 『 「一九〇五年」の彼ら』 関川夏央 NHK出版

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る本書の第八章 『与謝野晶子 意志的明治女学生の行…

“私は官邸で会議を重ね、ついに「財政構造改革法」という法律を作りました。梶山・与謝野のコンピで成し遂げた仕事のなかで、これは傑作中の傑作です” 『全身がん政治家』 与謝野馨, 青木直美 文藝春秋

全身がん政治家作者: 与謝野馨,青木直美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/06メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る期待以上に読みごたえのある一書.4つの原発癌,2回の再発と闘いながら過ごしてきた人生を語る.衆議院…

“その感慨は、必ずしも共感だけではなく、違和感であっても、否定感であってもよい、とにかく、人々が、無関心な、英語で言えば〈indifferent〉な状態から一歩抜け出して、色々な体験と思いを交わし合える一つの材料でありさえすれば、それで十分、という思いもあります” 『私のお気に入り ─観る・聴く・探す』 村上陽一郎 集英社

私のお気に入り ─観る・聴く・探す作者: 村上陽一郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/02/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るストイックに一生を過ごしてきた人であっても,晩年になって,昔を振り返りつつ思い出を語りはじめる人は多…

“漢籍的教養の上に西欧的教養を積んだものたちが「明治一五年以前生まれ」なら、白紙の上に西欧的教養を積んだのが「明治一五年以後生まれの青年たち」であろう。武士的道徳が消滅したのち、大衆的流行文化と経済万能主義の大波を浴びつつ人となった世代、ということでもあろう” 『 「一九〇五年」の彼ら ― 「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378) 』 関川夏央 NHK出版

「一九〇五年」の彼ら―「現代」の発端を生きた十二人の文学者 (NHK出版新書 378)作者: 関川夏央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/08メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る1905年(明治38年)に壮年期を迎えていた彼ら,日…

“見る存在である君は 見られる存在でもある” 『免疫学の巨人イェルネ』  トーマス・セデルキスト,宮坂昌之監修, 長野敬, 太田英彦訳  医学書院

免疫学の巨人イェルネ作者: 宮坂 昌之,長野 敬,太田 英彦出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2008/02メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るScience as Autobiography: The Troubled Life of Niels Jern作者: Thomas Soederqvist,D…

“いつの時代も、てらいのないまっすぐな理想と抱えきれぬほどの自負、現状のまっこう否定は、若き後継者たちの特権なのである” 『君は隅田川に消えたのか 藤牧義夫と版画の虚実』 駒村吉重 講談社

君は隅田川に消えたのか -藤牧義夫と版画の虚実作者: 駒村吉重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/13メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 68回この商品を含むブログ (18件) を見るそれほど期待して買ったわけではなかった.帯に洲之内徹の名前がなけれ…

“運命とは、人生の中での出会いのことである。出会った人との関係は一生続き、出会ったものごとの影響は、死ぬまで残る” 『運命を生きる――闘病が開けた人生の扉 (岩波ブックレット) 』 浅野史郎 岩波書店

運命を生きる――闘病が開けた人生の扉 (岩波ブックレット)作者: 浅野史郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/05/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る寡聞にして,宮城県知事を務めた浅野史郎氏がATL(成人T細胞白血病)…

“ほんの少し掘り返すだけで、土地は意外なほどに様々な問いを投げかけてくる” 『オオカミの護符』 小倉美惠子 新潮社

オオカミの護符作者: 小倉美惠子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/12/15メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログを見る著者は,自分の育った土地の古い習慣や,しきたり,信仰を記録に残すことをはじめる.何より驚くのは,神奈川県川崎市…

“人間が創りまた人間がことばにあてはめようとした文字というもの全体を総合的に理解する試みは始まったばかりです” 『 図説 アジア文字入門 (ふくろうの本/世界の文化) 』 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 河出書房新社

図説 アジア文字入門 (ふくろうの本/世界の文化)作者: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/04/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (14件) を見る東京外語大のAA研(アジ…

“昔のことなら笑いながら話せる。だって本当に楽しいことばかりだったから。未来のことなら笑いながら話せる。だって夢のようなことを実現できると思うから” 『忌野清志郎 瀕死の双六問屋 完全版』 忌野清志郎 新人物往来社

忌野清志郎 瀕死の双六問屋 完全版作者: 忌野清志郎出版社/メーカー: 新人物往来社発売日: 2012/02/22メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る忌野清志郎の名著『瀕死の双六問屋』の完成版が出たというNE…

“心理療法には、どうしても譲ることのできない点がある。それは、人間というものは、憎しみを分かつためではなく、共生共苦の慈悲を分かつために生まれてきた、ということである” 『素足の心理療法  (始まりの本) 』 霜山徳爾, 妙木浩之[解説] みすず書房

素足の心理療法 (始まりの本)作者: 霜山徳爾 ,妙木浩之[解説]出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/04/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る霜山徳爾の名著『素足の心理療法』が,装いを新たにして再刊された.みすず書房の…

“詩は今いるところであなたの心に作用する。知性に働きかけ、感情によりそい、あなたは独りではないとそっと伝えてくれる。” 『イェイツの詩と引用の原理』 詩のなぐさめ1 池澤夏樹 図書 2012年4月号 岩波書店

図書 2012年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/03/29メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る4月号から始まった連載,池澤夏樹による「詩のなぐさめ」.岩波文庫の詩の本の中から勝手に花を摘んで自分の部屋に持ち帰る,という…

“「『細部まで徹底的に考証してほしい』と言われました。これは『危険な書』だとも」” 『若泉敬 知られざる「密使」の苦悩 (上・下)』 諸永裕司 週刊朝日 2010年03月21日号,26日号

週刊朝日諸永裕司氏による2週に渡る連載記事.週刊ノンフィクション劇場,と題されている.上・下の副題は,それぞれ「「密約」公表の2年後に自決」,「自決前、親友から届いた「弔辞」」である. 後藤乾一氏による『「沖縄核密約」を背負って 若泉敬の生…

“ニューギニア人のほうが西洋人よりも頭がいいと私が感じる理由は二つある” 『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎  (草思社文庫) 』 ジャレド・ダイアモンド, 倉骨彰訳 草思社

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰出版社/メーカー: 草思社発売日: 2012/02/02メディア: 文庫購入: 27人 クリック: 421回この商品を含むブログ (187件) を見る文庫 銃・病原菌・鉄 …

“あの「戦勝祭」の朝、雨上がりの広場で「独立と自由」のスローガンを見ながら、私はやはりハノイには総てが許されたのではないか、と思った” 『サイゴンから来た妻と娘  (文春文庫 こ 8-1)』 近藤紘一 文藝春秋

サイゴンから来た妻と娘 (文春文庫 こ 8-1)作者: 近藤紘一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1981/07/25メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (31件) を見る懐かしの一冊である.単行本は1978年,文庫本は1981年,手持ちのものは1986…

“寂しくても、暖かかったと感じてくれたことを、そして、私と出会って、私たち家族と出会って幸せだと思ってくれたことを、今は何にも替えがたい彼女からの最後の贈り物だったと思うのである” 『つひにはあなたひとりを数ふ』 河野裕子と私 歌と闘病の十年 (最終回) 永田和宏  波 2012年 05月号 新潮社

波 2012年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/04/27メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る新潮社,波5月号. 永田和宏氏による連載,「河野裕子と私 歌と闘病の十年」が5月号で了となった.河野裕子は2010年8月に亡くなった歌人…

“ひとりを楽しむ先には豊かな生活がある” 『行正り香のひとりごはん生活 1』 週刊朝日 2012年4月6日号

週刊朝日 2012年4月6日号 表紙大島優子 前後期確定版 東大京大 合格者数ランキング発売日: 2012メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る週刊朝日 2012年4月13日号 (表紙:渡辺麻友) 全国2151高校大学合格者数ランキング発売日: 2012メディア: ?こ…

“死刑制度の正当化事由とは何か。私は遺族の報復感情しかないと思う” 『溺れる者に裁きを』 宮崎哲弥の時々砲弾

週刊文春 2012年4月19日号作者: 文藝春秋発売日: 2012メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 評論家の宮崎哲弥氏が,週刊文春2012年5月3・10合併号で,死刑制度に言及している.これがちょっと面白い.ニコール・キッドマン…

“「坂の上の雲」をのみ見つめて坂をのぼった人々が坂の上でみたものは何か。そこにはもはや輝く白い雲はなく、ただ人々は雨の中、坂をくだっていくことになる” 『坂の上の雲はどうなったのか』 和田春樹 図書 2012年 04月号 岩波書店

図書 2012年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/03/29メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る故司馬遼太郎は,優れた作家であり,多くの読者を持っているが,その内容については,心酔する人がいる一方で,その歴史観に対して批…

“痛烈で、敵意に満ち、挑戦的なスタイルがもてはやされている今日、あるいは常識的なことをあざ笑い、ひたすら突飛さばかりを追い求める現代文化のなかで、ここブランソンのショージ・タブチは、きわめて基本的なことを発見し、そこから成功をおさめたのだ” DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語』 ボブグリーン, Bob Greene, 山本光伸訳 光文社 (その2)

DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語作者: ボブグリーン,Bob Greene,山本光伸出版社/メーカー: 光文社発売日: 2001/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見るボブグリーンの本書に関する引用,第二弾.実は,…

“むしろ専門的知識や技能を棚上げにして、現場に身をさらすこと。そのときに初めて、付き添いさんの知恵というか、眼力の要となるところがおぼろげながらも見えてきます” 『語りきれないこと 危機と傷みの哲学  (角川oneテーマ21) 』 鷲田清一 角川学芸出版

語りきれないこと 危機と傷みの哲学 (角川oneテーマ21)作者: 鷲田清一出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 2012/02/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る震災後に出版された,鷲田清一氏による書物である.哲学者で…

“しかしここでは、あえてこれを「科学の完全無欠幻想」と呼ぶことにしたい” 『科学は誰のものか―社会の側から問い直す (生活人新書 328) 』 平川秀幸 日本放送出版協会

科学は誰のものか―社会の側から問い直す (生活人新書 328)作者: 平川秀幸出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2010/09/08メディア: 新書購入: 6人 クリック: 206回この商品を含むブログ (31件) を見るSTS(Science, Technology and Society 科学技術社…

“第二次世界大戦世代の人聞は自分たちのことを自慢して歩かない” “第二次世界大戦の帰還兵は、スポーツの試合で起きていることと戦場での出来事を、決して混同 しない” 『DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語』 ボブグリーン, Bob Greene, 山本光伸訳 光文社 (その1)

DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語作者: ボブグリーン,Bob Greene,山本光伸出版社/メーカー: 光文社発売日: 2001/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る ボブ・グリーンは稀代の名コラムニストである.近…